いま、注目を集める研究会がある。わずか2年で約1000人規模へ拡大し、東大新入生の20人に1人が所属する超人気研究会に成長した、「東大金融研究会」だ。創設者は外資系ヘッジファンドに20年在籍し、超一流の投資家として活躍してきた伊藤潤一氏。東大金融研究会ではお金の不安から自由になり、真の安定を得るために「自分の頭で考える」ことを重視している。世の中に溢れる情報や他人の声に振り回されず何が正しいのかを自分で判断し、物事を本質的に理解し、論理的に思考を展開することで、自立した幸せな人生を歩むことができるからだ。本連載では、東大金融研究会の教えを1冊に凝縮した初の書籍『東大金融研究会のお金超講義』から抜粋。頭のいい人だけが知っている「お金の教養と人生戦略」を紹介する。

「時間の使い方」がうまくなる、オリンピックメダリストが教える習慣とはPhoto: Adobe Stock

オリンピックメダリストがノートに書かせること

累積体感スピードのことを考えれば、時間の貴重さが身にしみます。

東大金融研究会の活動の中で時間の使い方を学ぶために重要なのが、アスリートとの交流です。

優れたスポーツ選手は、常に先々の大会を意識し、その大会に向けて時間を逆算しながらトレーニングをします。

オリンピックを目標とするようなトップアスリートであれば、4年間という時間を逆算し、間に小さな目標を立てながらそれをクリアしていく計画性が身についているのです。

彼らほど時間の使い方をよく知っている人はいないと言ってもいいでしょう。

私は、2008年北京オリンピック、2012年ロンドンオリンピックで銀メダルを獲得したフェンシングの太田雄貴さんが、小学生から高校生までの子どもたちに指導する様子を見せてもらったことがあります。

太田さんが力を入れていたのは、ノートに目標を書かせ、それを具現化するために「いま何をすべきか」を考えさせることでした。

まず必要なのは、目標にしている状態といまの状態の間にあるギャップを明確に認識すること。

ギャップを認識できたら、それを埋めるために何が必要なのか、現状で足りていないことは何なのかを徹底的に考えさせるのです。

「日々の積み重ねが大切」とはよく言われますが、ただやみくもに積み重ねれば結果が出るわけではありません。

目標を設定し、それに向けてどんな積み重ねが必要なのかを分析してこそ、「日々の積み重ね」が大きな意味を持つのです。

(本原稿は、伊藤潤一著『東大金融研究会のお金超講義 超一流の投資のプロが東大生に教えている「お金の教養と人生戦略」』から一部抜粋・改変したものです)