「忙しいけど楽しい」が危ない理由
ぱやぱやくん:そう考えると、「休みがまったくないのに生き生きしている人」って危ないんじゃないかと思います。
ブラック企業でめちゃくちゃ忙しいのに、「毎日充実感があって、最高に楽しい」って言っている人、いるじゃないですか。それって、一種のランナーズ・ハイみたいなものなんじゃないかと思って。
防衛大学校のとき、「100km行軍」という、重い荷物を背負って歩き続ける訓練があったんです。
本当にハードでつらかったんですけど、「残りあと10km」になった瞬間に、突然ふっと気持ち良くなったんです。
体もなんだかふわふわしてきて、変な脳内麻薬が出てるのかわからないですけど、急に「ああ、今、すごく幸せだなあ」と思って。
たぶん、休みなく働いている状態って、それと同じだと思うんですよね。「忙しくて充実してて幸せ!」と本人は思ってるかもしれないけど、実は体も心も限界を超えてて、それで気持ち良くなっちゃってるだけかもしれない。
わび:私もそうでしたが、「仕事がすべて」になっている人ほど、危ういと思います。
自衛隊でも安定してメンタルが強かったのは、「仕事以外に居場所を持っている人」や、「ストレス発散するための出口を持っている人」。ライフイベントと重なるときほど無理をしてしまいがちですが、倒れてしまったら元も子もありませんから、しっかり休憩点を設けて、危機管理できるといいですね。
ぱやぱやくん:そうですね。わびさんの『この世を生き抜く最強の技術』の本の中にも、自分らしい人生を取り戻すための方法がとてもわかりやすく書かれているので、「今、ちょっときついな」という人に読んでもらいたいですね。
一生懸命がんばればがんばるほど、自分の視野が狭くなってきて、希望が消えてしまっている人も多いと思います。「自分は本当にこのままでいいのだろうか」とか、「自分には価値がないんじゃないか」とか、自分を追い込んでしまっている人にほど、この本は深く響くと思います。
わび:ありがとうございます。自衛隊での学びが、みなさんにとって何か少しでも救いになったら嬉しいですね。