薄毛、白髪、フケ、かゆみ…。髪の悩みは、ときに人生を変えてしまいます。誰かに相談するのも勇気がいり、巷にたくさんある育毛法は、どれが効果的なのかわからない…となりがちです。『髪が増える術 成功率95%のプロが教えるすごいメソッド』(ダイヤモンド社刊)では、これまで5千人の髪や頭皮の状態を改善してきた髪のプロが、「カラダの内側から髪を元気にする」メソッドをすべて紹介しています。本記事では、著者である辻敦哉氏に髪にまつわる噂について聞きました。

4月から冬の2倍の紫外線! 今から防ぐ「秋の抜け毛」Photo: Adobe Stock

秋に「抜け毛」が増えるわけ

──「抜け毛」はどの時期がいちばん多いのでしょうか?

辻敦哉(以下、辻):秋がいちばん抜け毛が増え、一説では通常時の3倍とも言われています。その傾向はヘッドスパ専門店の混み方とも比例しており、3倍は言い過ぎかも知れませんが、同意する部分があります。

──男女によって抜け毛の時期や傾向は違いますか?

辻:はい、違います。男性は月のなかでは平均的に抜けますが、月経のある女性は、同じ月のなかでもホルモンバランスが変わります。月経時には、カラダから出す働きがあるため、抜け毛も増えますが、月経が終われば抜け毛も少なくなります。

 年間を通じて言えば、男女共に夏と秋の抜け毛が増え、その原因は春~夏の紫外線が多くを占めています。

──春から夏の紫外線が、秋の抜け毛の原因になるんですね。ほかにも原因があるのでしょうか?

辻:髪は4年から6年程で抜けて生える周期であれば、通常のサイクルと言えます。しかしながら、カラダの外側、内側の問題で、そのサイクルが大きく乱れている方がいます。

 生活習慣の乱れやストレス、加工食品の過剰摂取などは、カラダの内側を乱しますし、粗悪なシャンプー、自分に合わない育毛剤、春、夏の紫外線などは外側からのバランスを乱します。

 その積み重ねが、通常の髪の生育サイクルを乱すことにつながります。

──それらの原因によって、すぐに抜け毛につながるのでしょうか?

辻:なかでも、紫外線の影響は、頭皮で過酸化脂質という酸化した皮脂を増やし、その過酸化脂質が脱毛作用として毛根を刺激します。およそ3ヵ月~6ヵ月後に影響があると言われ、すぐに現れる抜け毛の原因となります。そのような理由から、毎年、秋の抜け毛に悩まれる方が多くなるのです。

──秋の抜け毛対策として、今から何をすべきでしょうか?

辻:まずは、カラダの内側のケアとして、皮脂分泌をコントコールするビタミンB2、B6と、酸化を防止するビタミンEを摂取します。

 カラダの外側のケアとしては、SPF30以下の頭皮にも使える日焼け止めや、清潔な帽子を被ること。

 そして、シャンプーは清涼感ではなく、保湿を優先したもので2度洗いをしてください。シャンプーでおすすめの成分は、カルボン酸、アミノ酸の洗剤です。

 また、シャンプーで取りきれない汚れは、セサミオイルやホホバオイルなどで、オイルパックした後、しっかりと洗い流すことで秋の抜け毛は防ぐことができます。

『髪が増える術』著者:辻敦哉(つじ・あつや)

1979年、埼玉県浦和市生まれ。埼玉県理容美容専門学校卒業、東京文化美容専門学校卒業、ロンドンTONI&GUYアカデミー修了。2006年リヴォーン株式会社入社。シブヤ西武「THE REV-OWN」店長、営業推進部長を務め、ヘッドスパのゴッドハンドとして業界を賑わす。その後独立し、2011年にヘッドスパ専門店「PULA(プーラ)」をオープン。あっという間に半年以上予約がとれないほどに。著書累計12万部を超え海外でも出版。現在は、プーラ式ヘッドスパ専門として全国展開しており、神奈川、埼玉、栃木、愛知、大阪、神戸に展開中。2022年6月、東京都立川周辺に出店予定(https://www.spa-pula.com/

本記事の医事監修:泉さくら(いずみ・さくら)

日本皮膚科学会皮膚科専門医。
琉球大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。