シニアに限らず若い世代でも地方移住を希望する人が増えている。特集『絶対安心!老後の住まい』(全9回)の#8では、移住を希望する人たちに求められる、新天地で失敗しないための“3つの確保”などについて解説する。(ダイヤモンド編集部)
若い世代で強まっている
地方への「移住熱」
シニアに限らず地方移住を希望する人が増えている。東京・有楽町の交通会館にあるNPO法人ふるさと回帰支援センターでは、地方移住のための各種の資料をそろえているだけでなく、セミナーなどを通じた情報収集ができる。
さらに、県別の専任相談員やハローワークの出先窓口があり、まさに「移住のための入り口から出口まで」一気通貫で行えるセンターだ。
センターは団塊世代の大量定年時代をにらみ、ふるさと回帰を促し、地方活性化に結び付けようという狙いで開設された。その趣旨の根底には、「地方では60代はまだまだひよっこ。定年後の人でも地方活性化の強い担い手になれる」(稲垣文彦副事務局長)という考え方がある。
センターが2021年9月に首都圏(1都3県)で行ったインターネット調査では、回答者の12.3%が「転居・移住に関心がある」と答えている。つまり首都圏全体では約308万人が転居・移住に関心を持っていると推定される。
実際、移住への関心はシニアだけでなく若い世代で強まっている。上図のグラフは、センターを利用した人たちの年代別の割合だが、08年調査では4.0%であった20代、12.0%であった30代が、21年調査ではそれぞれ22.2%、28.5%に増えている。