不動産市場に流通していなかった
空き家などを掘り起こし

 東京都世田谷区では、空き家所有者の悩みを解消し、今まで不動産市場に流通していなかった空き家などの掘り起こしを目的に「せたがや空き家活用ナビ」を2021年11月からスタートさせた。

 空き家所有者からの相談をアドバイザーがヒアリングしカルテを作成。空き家の活用案や問題の解決案を登録事業者から募り、アドバイザーが所有者に提案する(無料)。すでに10件ほど相談があり、事業者とのマッチングも出てきている。

 世田谷区は住宅需要が強いエリアだ。区でも空き家の多くは不動産市場で取引されるはずとみていた。

「そのため当初は、福祉目的など社会貢献として空き家を活用したい所有者と地域活動団体とのマッチングにフォーカスした相談窓口を設けていました」(世田谷区の空家・老朽建築物対策担当者)。

 しかし、実家が空き家になってもそのままのケースが意外に多いことが判明。問題が複雑で何をどこに相談したらよいのか分からない、関係業者の比較検討ができないといった声が聞かれた。そこで区では民間企業と提携し、新たな相談窓口を設けたというわけだ。

 その他ネットで検索すると、民間を中心に空き家向けのユニークなサービスがいろいろ見つかる。利用できるものがないか検討してみる価値は十分あるだろう。

Key Visual by Kanako Onda, Graphic:Daddy’s Home, DIAMOND GRAPHIC