増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!
「果報は寝て待て」の本質とは?
きょうのひとことは、
「やることをやったら、いったん忘れよう」
「果報は寝て待て」という故事がありますね。良い結果を得ようとしても、自分の力ではどうすることもできないから、あせらずに時機を待つのがいいという意味です。
本当にそうだと思います。自分でできることをやったら、どういう結果になるかクヨクヨせず、ムダに動いたり考えたりしないほうがいいです。
自分が期待するような結果を得たいと、肩に力を入れて見守るようなことをしていると、かえって良い結果を得られず、肩を落とすことのほうが多かったりします。
ようは期待が大きすぎると、落胆することのほうが多いということです。逆に、やることをやったら、もう「なるようなる!」と開き直って、クヨクヨしないほうが、よい結果が飛び込んできたりするものです。
この「果報は寝て待て」という故事の本質は、「忘れる」ということだとアテクシは思うんです。
自分なりの目標あって、そこに向かって努力する。そして、やれるだけのことをやったら、あとは結果を待つだけ。そんな状況になったら、「結果がどうなるか」という気持ちをいったん「忘れる」。
この「忘れる」ことこそ、「果報は寝て待て」の本質でしょう。
「人事を尽くして天命を待つ」という故事もありますが、やれることをやったら、あとは運命に任せて、いったん「忘れる」ことです。
やれるだけのことをやって結果を待つタイミングになったら、肩に力を入れて見守っていても、何も考えずにいても、結果は変わらないですよね?
結果が変わらないのであれば、いったん忘れたほうが、不意にいいことが転がり込んでくるような感じがして、より喜びも大きい感じがします。
「良い結果が得られなかったらどうしよう」なんて考えがちですが、それだと結果が出るまでヒヤヒヤドキドキの連続……。
良い結果が得られたらうれしいのですが、そのうれしさは、わりと一瞬だったりします。うれしさを噛みしめる時間より、ヒヤヒヤドキドキしながら見守る“苦痛の時間”のほうが圧倒的に長いわけです。
そして、その苦痛の時間は、自分自身で勝手に生み出していること。ならば、やれるだけのことやったら、そのことにいったん満足して、あとは「忘れる」ほうがいいのです。
そうはいいつつも、そんな簡単に理屈通りに忘れられない人も多いでしょう。そういう人は、次なる目標について考えるようにしましょう。つまり、違うことをはじめてみることです。
人は、違うことに目を向けて行動すると、そのことに意識が向きますから、ヒヤヒヤドキドキする心境から離れることができます。そうやって「結果がどうなるだろうか……」というモヤモヤを極力、頭の中から追い出しましょう。
積極的に「忘れる」という作業は、けっこう大事なんですね。
きょうのひとことは、
「やることをやったら、いったん忘れよう」
でした。
参考になったかしら?