2000年生まれ。京都大学経済学部経済経営学科3回生。高校時代に塾の恩師からの勧めで投資に興味を持つ。大学に入学してから『伝説のファンドマネージャーが教える株の公式』を読み、明確かつ洗練された投資のルールに衝撃を受ける。林氏を師と仰ぎ、投資初心者の立場から「林則行さんファンクラブ」を立ち上げ、会員をはじめ、ひとりでも多くの人を経済危機から守るための活動を行っている
林 ありとあらゆる景気浮揚策です。道路や鉄道、港湾、送電網の改修工事を行って雇用を生み出しました。補助金も出し、企業や個人へのお金の貸付も拡大しました。
日本はやっておらず、しかも意外に知られていないのが戦争です。もちろん、米国は現代における帝国として、覇権を維持するのに戦争をし続ける必要があります。しかし、それ以上に大事なのは、景気対策としての戦争です。中東やアフリカの安定とか人権擁護とかは建前です。例えば、米国はロシアをそそのかして、ウクライナ戦争に踏み切らせた側面もあります。
国威高揚、政権の人気取りという見方をする人もいますが、それは二の次です。真の目的は景気対策です。
佐藤 戦争が景気対策って、信じられません。
林 戦争を始めれば、軍需産業が潤い、失業しそうな若者を兵士として雇用できます。戦争後の相手国の立て直しでも、建設業や石油産業の仕事を増やすことができます。日本の公共工事でも、まだ使えそうな橋や道路を壊して、立派なものにつくり替えていますよね。それを大掛かりにすると思えばいいでしょう。
コロナ以降の金融政策は
狂気の沙汰
佐藤 リーマンショックを契機に始まった量的緩和政策は今も続いているのでしょうか?
林 続いているどころか、緩和の度合いに拍車がかかっています。コロナで世界中が大打撃を受けました。その難を避けるために、さらに多額のお金がばら撒かれました。
経済の表の顔が人や物の動きだとすると、裏の顔がマネーになります。図表は株価とマネーの伸びを示したものです。米国はマネーを前年比で10%も増やしました。それも2回も。それが起爆剤となって、株価はその後順調に上がりました。
カジノではよく見かける光景ですが、金回りが良くなると、気が大きくなって、多くの人が掛け金を2倍、3倍にします。このことが米国の金融市場全体で起きたと考えてください。その結果、リーマンショックで暴落した株価が急速に回復しました。