クリスマスの起源
ローマでキリスト教を布教し始めた人たちは、イエスの誕生日を冬至の頃に定めてクリスマスとしました。
12月25日になったのは4世紀のことです。
もちろん、実際のイエスの誕生日は明らかではありませんでした。
そしてその日に、牛肉の代わりにパンを食べ、赤ワインを飲んでお祝いしたのです。
さらにイシスがわが子を抱く像のアイデアも借用して、イエスを抱く聖母マリア像をつくりました。
もう一つ、キリスト教団が借用したことがあります。
イエスの顔つきを大神ゼウスから借りてきたのです。
あの髭を生やした立派な表情のイエスです。
ギリシャには万物の支配者という意味で、皇帝の称号としても用いられたパンクラトールという呼称がありました。
この呼称は、キリスト教が国教となった後に、イエスの称号にもなりましたが、その表情はまさにゼウスを思わせるもので、ビザンティン時代の美術作品に数多く残されています。
キリスト教がミトラス教やイシス教からアイデアを借用して展開した布教戦術は見事に成功しました。
それらの宗教を信仰していた人々は、キリスト教には自分たちの敬愛している要素が、ほとんど含まれているなときっと思ったことでしょう。
そしてキリスト教に宗旨変えする信者も増えていったのでしょう。