注目すべき2~3世紀頃の寒冷化

 さらに2~3世紀頃から、ユーラシア大陸は天候不順が続き、寒冷化の時代を迎えました。

 東のモンゴルから西へと続く、大草原地帯の諸部族(遊牧民)が寒さを逃れて大量に南下し始めました。

 そのためにローマ帝国の国境線は諸部族に破られて、治安の悪化が激しくなりました。

 加えて天候不順と寒冷化のために農作物の収穫も減少し、生活不安と飢えも増大します。

 このような社会不安の中で、イエスの言葉を信じていれば最後の審判で天国に行けるという、キリスト教の教えは民衆の心に響きました。

 このこともキリスト教の伸長に、大きな力となったと思われます。

『哲学と宗教全史』では、哲学者、宗教家が熱く生きた3000年を、出没年付きカラー人物相関図・系図で紹介しました。

 僕は系図が大好きなので、「対立」「友人」などの人間関係マップも盛り込んでみたのでぜひご覧いただけたらと思います。

(本原稿は、13万部突破のロングセラー、出口治明著『哲学と宗教全史』からの抜粋です)