ぶん殴ってやりたい相手の顔を思い描いてやると
効果もアップするかも

 もしくは、「100均で買ってきた皿を床に叩きつける」「ぬいぐるみや布団、サンドバッグをバシバシ叩く」「一人カラオケで好きな歌を熱唱する」、など、感情を大爆発させないために、物理的な方向で発散させると、怒りが解消できます。

 また、職場で手軽にできることで言えば、たとえば「オフィスの掃除をする」とか「机の整理整頓をする」「いらない書類をシュレッダーにかける」などが効果的です。

 あとは少しお金はかかりますが、帰りに「ジムやバッティングセンターに行ったりして体を動かす」のも有効です。

 ジムでは、最近ボクササイズなどが人気だそうですが、脳内でぶん殴りたい相手の顔を思い描いてやると効果もアップするでしょう。

 反射的にその場で怒りを爆発させる人間になるよりは、ちょっと堪えて、別の場でその怒りを発散させるほうが健全ですし、円滑な社会生活を送るという意味からも、そちらをお勧めします。

 これらを続けるうちに、自然と心の中だけで感情のスイッチの切り替えもできるようになります。

【POINT】
 怒りを物理的なエネルギーに転換して発散させる。

バク@精神科医
元内科の精神科専門医
中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー6.3万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。