(3)新たな活動にも発展
コミュニティメンバー同士のつながりから新たな活動が生まれ、さらなる活性化につながった。

(4)社内のメンバーが自信を持って発信するようになった
会社の中で閉じていたプロパー社員たちが、外に出ていくようになった。ブログやSNSなどで自分の意見や思いを発信するメンバーも。さらに自らアクションを起こせるようになった。

「会社にコミュニティという“外への扉”を設けたら、それまで見えていなかったビジネスパーソンの顔がきちんと見えるようになりました。社外から見ると、これまで閉じていて見えなかった青山商事という会社の顔が見えるようになった。コミュニティを通じて、変革の一歩を踏み出すことができました」(平松さん)

他者を変えるより、私の看板を掛け変える

 平松さんのモットーは、「楽しく生きる」だ。

「基本、楽しいことしかしたくないと思って生きています。でも、自分が楽しく生きるためには、周りも楽しくなければいけません。周りの周りも。ということで、最終的には世の中みんなが楽しくなればいいのではないか、そう思っています」(平松さん)

 キャリアを通じて得られたのは、会社の名前ではなく、平松さん個人の魅力で彩られた看板だ。

「会社に所属していると、『○○会社の平松さん』という看板がついて回ります。私は楽しく生きるために会社を飛び出し、面白い活動をたくさんしてきました。いつしか私の看板は、会社ではなく『なんか面白いことやってる平松さん』に変わりました。この看板のおかげで、会社がどこであれ『一緒に面白いことをしよう』『面白いことができそうだから連絡してみた』と仲間がついてきてくれました。次第に、周りが面白い人だらけになり、自然と『面白そうなことやってそうなコミュニティ』が出来上がっていったんです。今、私の周りには、『何か面白いことしよう』と言うと手を挙げてくれる仲間がたくさんいます」(平松さん)

「○○会社の平松さん」から「なんか面白いことやってる平松さん」に変わることで、コミュニティが開いていった Photo by Hazuki Hiramatsu「○○会社の平松さん」から「なんか面白いことやってる平松さん」に変わることで、コミュニティが開いていった Photo by Hazuki Hiramatsu

 会社を変える、組織のカルチャーや働く人のマインドを変える、どれもなかなか難しいことだ。でも、自分を変えることはできる。個の時代、自分の看板を掛け替え、新たなコミュニティを醸成することで、周囲を変革の渦に巻き込んでいく。楽しく、面白く。そんな可能性を感じた平松さんのエピソードだった。