棚田:そうなんです。シンプルだけど効果抜群で、本当に忘れにくい上に、継続しやすい。毎日何をやればどの程度記憶に定着するか可視化できるので、仕事との両立もできましたここから、私はさらに研究を重ね、最終的には、「大量記憶表」というシートを考案・作成しました。

これによって、崩れにくい学習計画を立てることに成功し、「働きながら」「完全独学」「一発合格」のコツを習得したのです。

――大量記憶表で勉強するのは参考書でしょうか? それとも過去問題集でしょうか?

棚田:過去問題集ですね。参考書を先に読めば、知識を理解した気にはなります。しかし、それがどんな形で問題として出てくるのかを知らないまま読み進めても、試験ではあまり役に立ちません。

一方、過去問からスタートすると、試験で問われる知識がわかるのはもちろんのこと、どういう聞き方をしてくるのかがわかります。覚えるべきポイントが明確にわかるので、勉強効率もあがります。

大量記憶表の使い方を説明します。縦の列には、資格試験名や勉強項目を記入します。基本的には、過去問題集を数ページごとに小分けして、勉強する分野(テーマ)を記入していきます。

横軸について説明します。横軸は思い出す間隔を表しています。初日のスタート地点を0とし、半日後が0.5、翌日が1(1日後という意味)になります。初日だけは、記憶に定着させるために同じ部分を2回やるため0.5としています。翌日からは1日ごとに復習し、徐々に2日後、3日後と復習する間隔を広げていきます。

──本当にすごい勉強法だと思います。私も記憶は苦手ですが、「これならできるかも!」と励まされました。

棚田:そんな声をいただくと、本当に嬉しくなりますね。勉強が苦手だけれど新しいことに挑戦したい、スキルアップしたい、人生を変えたい……そんな人たちの力になれれば、と思って今回の本を書いたので。行動力と継続力こそが、今の時代を生き抜くうえで一番の武器になります。

毎日コツコツ、1日も休まずに勉強する。誰にでもできることですが、でも、実際に続けられる人はごくわずか。継続こそ才能だと思います。『「紙1枚」勉強法』で、今後もその手助けができたらと思っています。

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