全てが中途半端な自民党政治は
厳しく批判されるべき
この連載では、自民党の最大の特徴を「キャッチ・オール・パーティー(包括政党)」だと指摘してきた(第169回・p3)。要は、政策の「総合商社」か「デパート」のようなものであり、一応全ての政策課題に対応している。「新しい資本主義」も、現在の全ての政策課題を一覧に並べたようなものだ。
だが、残念なことに、重点投資4分野は新しい政策課題ではない。以前から認識されていながら、有効な手を打てなかった「古い政策課題」ばかりだ。
それらの課題解決のためのプロセスを決めて、予算を組んで実行して取り組むのは悪いことではない。
だが、そもそも欧米や中国などが何年も前に済ませていることを、「新しいことをやります」と胸を張ってアピールするような自民党や官僚組織の姿勢は、真摯(しんし)さも謙虚さも著しく欠いている。
岸田首相は“どや顔”で計画を発表するだけでなく、「なぜ、これまで長年にわたって有効な手を打てなかったのか」「今回の施策は、従来とどう違うのか」といったポイントが国民に伝わるよう、より詳細な説明を行うべきではないだろうか。