生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つの物語は、気づかぬ間に心の荷物を抱え込んで苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。
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相手に選択権を与える伝え方
上司や部下、取引先、あるいは友人や家族に自分の要望を伝えたい。でも、自分の考えと相手の考えが違うときもあります。そんな状況を打開するには、相手の心に最大限響かせる伝え方をしたほうがいいでしょう。
相手に自分の要望を伝える方法には、大きく「ユー(You)メッセージ」と「アイ(I)メッセージ」があります。たとえば「体調が悪そうだから、病院に行ってきなさい」は「あなた(You)は体調が悪いから、病院に行きなさい」ともいい換えられます。人は他人にコントロールされるのが嫌なもの。命令口調のYouメッセージでは反発を招きやすいのです。
一方、Iメッセージだと「体調が悪そうだから、病院に行ってくれると、私(I)は安心する」となります。このように自分を主語にして気持ちをのせると、一方的な命令ではなく、相手に選択権が生じるので、要望を受け入れやすくなるのです。
人にものを伝えるときに大切なこと
もっとシンプルにいうと、「私ならこうします」と伝えるのです。先ほどの例でいうなら「私なら病院に行くよ」といえば、「そうなのか、病院に行ったほうがいいのかな」と思えるでしょう。こんないい方をしても頑なに拒否するケースがあるかもしれませんが、そういう人はどんないい方をしても聞き入れてくれないでしょうから、そのタイミングでは諦めるしかありません。
いずれにしても、「あくまであなたが決めることだけど」という選択肢を残して伝えると、決めつけでもなく、押しつけがましくもなく、より聞き入れやすくなるでしょう。自分の思い込みで相手を決めつけたような伝え方をすると、相手はムッとして拒絶感が生まれてしまいます。
人にものを伝えるときには、命令口調や決めつけではなく、「謙虚さ」を持つことが相手が動いてくれるポイントでもあるんですね。
※『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、お悩み解消のヒントが満載です。