感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />自分は大丈夫って思うときこそ危険

根拠のない自信は持たないで

きょうのひとことは、
「自分は大丈夫って思うときこそ危険」

「自分は大丈夫」と思っているときこそ、自分の身に問題が降りかかってくるケースが多いです。

「自分は楽観的だから」「自分を追い込んだりしないから」と「精神的に調子が悪くなることなんてない」と思っている人に限って、ついついアクセルを踏みすぎてしまって、精神を患ってしまうことは、よくあることなのです。

逆に「私は大丈夫じゃないかもしれない」と思っている人のほうが、安全運転を心がけますから、精神的に調子を崩しにくい傾向もみられます。

「アクセルを踏む」とか「安全運転」など、自動車の運転にたとえた表現をしましたが、実際に自動車の運転に似たところがあります。

運転に自信がなくて安全運転を心がけている人より、運転に自信があってアクセルを踏み込みがちな人のほうが、意外と事故を起こしやすいということです。自分に自信があるからこそ油断が生じやすく、なんらかのミスやトラブルに発展しやすいんですね。

逆に自分にあまり自信がない人のほうが、ものごとを慎重に進めますから、意外と大きなトラブルを起こしにくいわけです。精神的なトラブルもそうですが、「まさか自分がこうなるとは思わなかった」というケースがたくさんあるのです。

自分に絶対的な自信を持たない人のほうが、いい意味で臆病なので、トラブルを未然に避けたり、やりすぎないようにセーブしたりできます。

根拠のない自信を漠然と身にまとってしまっている人は、「自分は油断している」と思ったほうがいいでしょう。

「まさか自分がこうなるとは」という事態に遭遇する可能性が高まっているかもしれません。すくなくとも、「自分は大丈夫」と決めつけないようにしてください。

「人生、なにがあるかわからない」ということを心にとどめておくことが大事です。「自分が自信があること」「絶対に大丈夫だ」と思っているようなことについては、一度見つめ直してみたほうがいいでしょう。

アテクシは精神科医であるにもかかわらず、パートナーと死別したり仕事が立て込んでアクセルを踏みすぎたりして、精神的な病を患ったことがありました。死別した寂しさを紛らわすため、一生懸命、仕事に打ち込みすぎてしまったのです。

基本的には楽観的で、精神科医ですから精神的な病への対処法も心得ていますから、油断してアクセルを踏み込みすぎました。「自分は大丈夫」と思っているときこそ危険だということを、身をもって経験したのです。

「自分は大丈夫」「トラブルは起きない」なんてことはありません。「人生、なにが起こるかわからない」という思いを頭の片隅に置いておくだけで、だいぶ違いますからね。

きょうのひとことは、
「自分は大丈夫って思うときこそ危険」
でした。

参考になったかしら?

【訂正】記事初出時より以下のように修正しました。記事タイトル【精神科医が教える】精神的な病を患ってしまう人の特徴とは?→【精神科医が教える】自分は大丈夫って思うときこそ危険(2022年3月20日 13:20 書籍オンライン編集部)