いま、注目を集める研究会がある。わずか2年で約1000人規模へ拡大し、東大新入生の20人に1人が所属する超人気研究会に成長した、「東大金融研究会」だ。創設者は外資系ヘッジファンドに20年在籍し、超一流の投資家として活躍してきた「金融界の鬼才」伊藤潤一氏。地上波をはじめメディアでも注目を集める人物だ。東大金融研究会ではお金の不安から自由になり、真の安定を得るために「自分の頭で考える」ことを重視している。世の中に溢れる情報や他人の声に振り回されず何が正しいのかを自分で判断し、物事を本質的に理解し、論理的に思考を展開することで、自立した幸せな人生を歩むことができるからだ。本連載では、東大金融研究会の教えを1冊に凝縮した初の書籍『東大金融研究会のお金超講義』から抜粋。頭のいい人だけが知っている「お金の教養と人生戦略」を紹介する。

【サンジャポで話題!金融界の鬼才】人間関係で「リターンのみ考える人」と「リスクを考える人」に生まれる差Photo: Adobe Stock

人間関係は多方面に広げたほうが盤石になる

金融の世界では、最終的なリターンが同じであっても、変動率(リスク)が小さいほうが運用の効率性が高く「よい運用」だと考えます。

この金融の世界の考え方を人生に置き換えてみると、何が言えるでしょうか?

人はリターンにばかり目が向きがちなものですが、私は「同じリターンを目指すにしても、いかにリスクを抑えるか」という観点を持つことが重要だと思っています。

仮に「人生のリターン(幸福・喜びなど)は人間関係から生じる」と考えます。

多くの社会人にとって家族・親族以外の主な人間関係とは、「会社の仲間」と「学生時代の仲間」の2グループでしょう。ほとんどの人はこの2グループとの交流で、リターンを達成しようとします。どちらも上手くいっているうちはいいのですが、一つでもトラブルが生じた場合、リターンは安定しなくなってしまいます。

しかし同じリターンを達成するにしても、人間関係のグループ数を増やせばシャープレシオは大きく上がると思うのです。私が金融業界に身を置きながら、スポーツ選手や医師、経営者、タレント、宇宙飛行士などと積極的に交流しているのはこのような考え方がベースにあるからだとも言えます。

業界を超えた付き合いを広げることに「あんなふうにお金や時間を使うのは無駄だ」「あれは単なる自己満足だ」という人もいます。

しかし、多方面に根を張った人材ポートフォリオのほうが盤石だと思いますし、たとえ最終的なリターンが変わらなくても人生のシャープレシオを高めることで「勝っている」と考えられるのです。

(本原稿は、伊藤潤一著『東大金融研究会のお金超講義 超一流の投資のプロが東大生に教えている「お金の教養と人生戦略」』から一部抜粋・改変したものです)