不安やパニック、恐怖を感じたらどうすればいい?
不安やパニック、恐怖を感じたら、まずは自分が息を止めてしまっていないかどうか確かめてください。
たいていは息を止めています。
こんなときは、息を吸い込むべきでしょうか?
ちがいます。吐いてください。
呼吸は単純な動作ですが、規則があります。
息を吐き切ったら、息を吸い込めるようになるという当たり前の事実を大切にしてください。
息を吐かずに吸おうとするのは、エレベーターから降りてくる人を待たずに無理やり乗り込もうとするようなものです。
また、不安から抜け出そうとして、お酒などに頼ることはなんの役にも立ちません。
アルコール依存症にでもなったら、さらなる問題を抱えることになります。
不安、パニック、恐怖は自分の心の中にあります。
心の中にあるものは自分の味方だという事実を忘れないでください。
パニックから抜け出すには、ポジティブにかまえることです。
パニック発作で死ぬことはありません。
私たちの心のうちにある不安の反応が強く出ただけです。
つまり、味方がちょっと“オーバー”なふるまいをしただけです。
現代精神医学において、不安、パニック、恐怖に対する薬物療法には有益な効果があります。
しかし、さらに効果的なのは、不安を「しばらく心に住まわせている住人」として受け入れることです。
根本的に、不安、パニック、恐怖は心理的な問題です。
脳の問題だというケースも一部にはありますが、心理的な理由で症状がひどくなった場合は、大もとの原因を突き止めなければなりません。
不安を感じるのは「その原因を探せ」という自我からのメッセージです。
これを無視してはいけません。
原因を探すことによって、多くの問題が解決します。
症状ばかりにとらわれないことが大切です。
(本稿は、チョン・ドオン著 藤田麗子訳『こころの葛藤はすべて自分の味方だ。 「本当の自分」を見つけて癒すフロイトの教え』から一部抜粋・再構成したものです)
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