実家の片づけ版「PDCA」で片づけの常識が変わった!

 とはいえ、働いている私は頻繁に帰ることもできず、実家の片づけに専念できるのは、せいぜい年に数回程度。それに、そのときには片づいていても、次に帰ったときにリバウンドしていたら、なんの意味もありません。時間とお金をかけず、母とケンカすることもなく、リバウンドゼロの実家の片づけ。

 あれこれ考え、実践し、失敗(ケンカやリバウンド)を繰り返した結果、私は「実家の片づけは仕事と同じだ」ということに気づきました。仕事をしていたら、「こっちのほうが効率的なのに」と思っても、理不尽なこれまでのやり方に従わなければいけないときもあります。また、不本意な意見にも同意しなければいけないこともあるし、酔っぱらった上司がいつも話していることに、毎回新鮮なリアクションを取らなければいけないときもある。それと同じだと考えればいいのだと。「自分の親に対してそれは、冷たい」と思われる人もいるかもしれませんが、親だからと言いたいことを言ったり、自分のやり方を押しつけるほうがよっぽど冷たいし、親不孝だと私は思っています。そう気づいたとき、私はビジネスの手法がもっともっと実家の片づけに役立てられるのではないかと思いはじめました。そして気づいたのが、PDCAを実家の片づけに当てはめていけば、最短・最速・最効率的にリバウンドゼロの実家の片づけが実現できる、ということでした。

 PDCAとは、ビジネスの世界でよく使われているもので、P(Plan)は計画、D(Do)は実行、C(Check)は評価、A(Act)は修正を意味し、これを行うと仕事が効率よく回る理論のことです。実家の片づけも、基本的にはこの理論と同じです。そして、ビジネスの手法を実家の片づけに当てはめ、誰にでもできるメソッドに落とし込んだのが、本書でご紹介する渡部式「実家の片づけ」です。おかげさまで、現在の母は日本画の趣味も復活、10年前に買ったキャンバスにも新しい画を描きはじめました。

 本書の中では、第2章でPにあたる計画(事前の準備もここに入ります)を、第3章で紹介する具体的な実践方法をDとし、第4章であなたがいなくなってもリバウンドしないためのCとAをご紹介していきます。

「実家の片づけ」は暗くて、つらいもの?

 いえいえ、そんなことはありません。中にはぎくしゃくしていた親子関係が修復したという人がいます。また、会話が増えたという親子もいます。孫がよく遊びにきてくれるようになったという親御さんもいらっしゃいました。

 みなさん、最初は「面倒だから」「片づけが苦手だから」と先延ばしにしていた方々です。

 私はこれまでたくさんの「実家の片づけ」を行った人々を見てきましたが、1人として、やらないほうがよかったという人はいませんでした。それほど、実家を片づける効果は絶大なのです。

 さあ、今すぐあなたもこの効果を味わってください!

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