世界中が大絶賛する最強のノート術『バレットジャーナル』。本書の手法は、アメリカのデジタルプロダクト・デザイナーであるライダー・キャロル氏が発案。幼少期に注意欠陥障害(ADD)の診断を受け、日常生活を送ることに苦労した経験から、頭のなかを常に整理するために考え出した画期的メソッドだ。「人生が激変した!」と効果を実感する人が世界中で続出している。1冊のノートと1本のペンがあれば誰でもはじめられ、日々のあらゆる悩みを解決できるのが特徴だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、頭のなかを整理する方法を紹介していく。(構成:長沼良和)

「目標を達成する人、できない人」の決定的な差、達成できない人が立てる“残念な目標”とは?Photo: Adobe Stock

金額は目標にはならない

目標設定をする」というと、他人の立てた目標を自分の目標にする人がいる。

 たとえば、「1億円を稼ぐ」という目標だ。これは「残念な目標の立て方」の典型だ。

 ある意味、この目標を達成できる人はいない。というのも、1億円は実態のない数字にすぎないからだ。

「なぜ、1億円を稼がなければならないのか?」が明確でなければ、この目標は達成されることはない。

目標を設定する際に、意志力をもって定めれば、そこには構造、方向性、焦点、目的が生まれるのだ。(P.211)

 実体験のなかで「これを成し遂げたい!」と心から思ったことを目標にすることで、初めて目標は達成可能になる。

目標を達成する確率を上げる方法

 1億円を稼ぐという目標を立てた理由が以下のようなものだったらどうだろう。

「奨学金を返済して、両親が退職後に暮らせるような一軒家を買って、子どもたちの教育費にあてたい」(P.213)

 この場合、1億円によって自分の生活をどのように変えていきたいか具体的に把握できる。

 このとき初めて1億円を稼ぐことが実感をともなった達成可能な目標になる。

 大きな目標を達成するには、長い時間がかかる。途中で困難にぶつかることもあるだろうし、コツコツと努力を積み重ねなければならない。道半ばでめげてしまうことも十分にあり得る。

 そんな困難な状況に打ち勝つには、「目標がはっきりした本物の欲求」に基づいていなければならないのだ。

 他所から拝借したありきたりな目標では決して達成できないのである。

「目標コレクション」で優先順位をつける

 実現したい目標が思い浮かんだら、紙に書き出そう。

 大きい目標でも小さい目標でも、全部そこに書いておく。それらの目標をたくさん集めて「目標コレクション」にする。

このコレクションは、あなたの未来の可能性を一覧表にする役割を果たす。(P.215)

 実現したい目標が集まったら、達成に向けて具体的な行動を起こせるような工夫が必要だ。

 そこでお勧めしたいのが「5、4、3、2、1エクササイズ」である。

 これは、目標コレクションに書いた目標を短期、中期、長期に分類するためのものである。

 ノートを開いて、上から順番に「5年以内」「4ヶ月以内」「3週間以内」「2日以内」「1時間以内」という欄を作る。

 そして、目標コレクションに書いたアイディアをこの5つの欄に割り振っていこう。

 ここで大事なのは、目標を達成するために使う時間とエネルギーの配分を決めること。

 それぞれの項目で優先順位をつけて、もっとも達成したい目標に対して優先的に時間とエネルギーを注ぎ込もう。

「実行するに値しない」と判断した目標には、ここで横線を引いて消してしまわなければならない。

肝心なのは目標の数ではない。「重要な目標に取り組む」ことが肝心なのだ。(P.218)

 優先順位の高い目標に絞り込むことで、実現の可能性は高まるのである。

「本当に達成したい目標」だけに絞り込む

 一度達成すると決めた目標は動かさないことが大切だ。

 少し実践してみて「あ、これは難しそうだから別の目標にしよう」とすぐにやめてしまうのでは意味がない。

 そんなことにならないように、「目標コレクション」を作るときにしっかり優先順位をつけて、本当に達成したいと思う目標だけに絞り込む必要がある。

意志力を持って生きるとは、もっとも重要なことに集中することだ(P.219)

 目標を絞り込むときには、徹底的に達成したいことに集中しよう。

目標を細分化する

 長期的な目標を達成するには、まず短期間で達成できる「小さい目標に細かく分ける」ところからはじめよう。

 そして、分けた目標を順番に達成していく。

 小さい目標をひとつひとつ達成し、最終的に大きな目標を達成するのだ。

 これにより、忍耐力がなくても目標を達成する確率が格段に上がる。

大きな目標を、短期で達成できる目標に分解すると、仕事量に圧倒され、疲弊しきってしまうリスクを減らすことができる。(P.222)

 大きな目標にいきなり取り組もうとすると、あまりに壮大な目標の大きさに圧倒され、途中で挫折してしまうリスクが高くなってしまう。

達成するたびに振り返る

 また、小さい目標に分けると、それを達成するたびに進捗状況を振り返ることができるので、ズレや修正が発生したら随時調整できる。

 大きな目標は小さい目標に細かく分けて、ひとつひとつを達成して積み上げていく。

 これが大きな目標を確実に達成する秘訣なのである。