不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
嫌いなひとも、じつは好き
仲がよかった人に、急に嫌われたことってありませんか? 精神医学の世界には、「感情転移」という言葉があるんです。感情転移には、「陽性転移」と「陰性転移」があって、陽性転移は愛情の表れ、陰性転移は憎悪の表れです。
陽性転移は陰性転移に切り替わることがあります。つまり、愛情が憎悪に切り替わり、憎悪を隠した愛情にもなり得るということなんです。別に専門的な言葉を使わなくても、なにかの拍子に嫌われたり、嫌いになったりすることがある。逆になにかの拍子に嫌われていた人から好かれたり、嫌いだった人が好きになったりすることがあるんですね。
ポイントは、好きでも嫌いでも、どちらかの感情を持つというのは、相手に興味関心があるということ。そして、興味関心があるということは、すごく広い意味で考えると、それは相手を好きだということなんです。
興味関心のない人には
好きでも嫌いでもないポジションを目指す
興味関心のある相手が、自分の期待通りに反応してくれなかったとき、嫌いになったりするんです。要するに、興味関心のある相手に振り回されているともいえるんですね。興味関心のある相手を増やすということは、振り回される可能性がある人を増やしてるともいえます。簡単にいうと、疲れるわけです。
いまは仲がいいと思っている相手でも、自分のことを嫌いになる可能性があります。要は振り回される可能性があるということ。仮に振り回されることになったとしても、自分にとってエネルギーを注ぎたい相手ならマシです。
だから、いちばんいいのは、自分があまり興味関心のない人には、自分に興味関心を持たれないように振る舞うことなんですね。その人にとって、好きでも嫌いでもないニュートラルなポジションを目指したほうがいいんです。
嫌われる覚悟をしておく
みんなに嫌われたくない、好かれたいと思う人っていうのは、みんなに興味関心を持たれたいということでもあります。しかし、見方をかえると、それは対人関係にかなり無駄なエネルギーを使ってしまっているわけです。
みんなに嫌われたくないと思う人の気持ちって、不安定になりがち。対人関係に多くのエネルギーを奪われる毎日になりかねないんです。
同じ相手でも、好かれたり嫌われたりすればいいんです。好かれている相手にも、いつか嫌われるかもしれない。そう覚悟しておけばいいんです。また、なにかの拍子に好かれる可能性もあるわけですし。
無関心な存在になる
嫌われるか好かれるかというエネルギーを注がなくてはいけないゾーンにいる人っていうのは、手当たり次第につくらないほうがいいと思うんですよね。つまり、みんなに好かれようとしないほうがいい。毎日、心配事に振り回されることにもなりかねないですから。
組織のなかでうまく立ち回っているコミュニケーション上手な人は、じつは必要のないところでは、無関心な存在になるのが上手なんですね。本当は目立つ存在でも、あるところではひっそりと佇むというのが、上手だったりするんです。
むやみに意識されないポジションを目指す
本当に大事にしたい人とか、面白いぞっていう人に関しては、興味関心を示すけれど、そうじゃない人には、あまり意識されないところに佇むというような分別をわきまえているところがある。
いずれにしても、好かれている人、もしくは自分が好きな相手というのは、嫌われたり嫌いになったりすることがあるということを認識しておくだけでも、だいぶ違います。
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