『週刊ダイヤモンド』11月12日・19日合併号の第一特集は「円安・金利高・インフレに勝つ!最強版 富裕層の節税&資産防衛術」です。急激な円安や金利高、インフレの加速、ロシアによるウクライナ侵攻など社会を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。そうした中で、富裕層たちはいかにして節税および資産防衛を行っているのでしょうか。国税当局による節税策の封じ込めが激しさを増す中、富裕層が陥りやすいわなを含め、資産防衛術を赤裸々に明かします。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)
世界中でふさがれる節税手法
今の注目ポイントは?
コロナ禍以降、生命保険、暗号資産、世界の法人税下限の統一化、30万円以下の一括償却など、いわゆる節税手段がどんどんふさがれてきています。これに加えて生前贈与と相続の一体課税が行われるということも喧伝されています。

ありとあらゆる節税手段に、このようなふたをする動きは「税務当局の本気度がうかがえる状況」なのではないかと思います。コロナ禍で国の借金が膨らんでいますし、アフターコロナを見据え、大規模金融緩和や多額の財政出動という「広げた風呂敷」を畳むフェーズに入ってきているのでしょう。
「所得税・法人税は防衛費など大義名分がないと上げづらい。しかし消費税を上げたら選挙で不利」という状況下で、最初に上げやすいのが富裕層に対する税金である、贈与税・相続税となるのは当然の流れです。こういう情勢の今、富裕層の間でよく行われている節税手法にはどんなものがあるのでしょうか。