人体の構造は、美しくてよくできている――。外科医けいゆうとして、ブログ累計1000万PV超、Twitter(外科医けいゆう)アカウント10万人超のフォロワーを持つ著者が、人体の知識、医学の偉人の物語、ウイルスや細菌の発見やワクチン開発のエピソード、現代医療にまつわる意外な常識などを紹介し、人体の面白さ、医学の奥深さを伝える『すばらしい人体』が発刊された。坂井建雄氏(解剖学者、順天堂大学教授)「まだまだ人体は謎だらけである。本書は、人体と医学についてのさまざまな知見について、魅力的な話題を提供しながら読者を奥深い世界へと導く」と絶賛されている。今回は、本書の内容を元に「まるで魔法のようにふしぎな全身麻酔」をテーマにした書き下ろし漫画を特別にお届けする。(マンガ制作:トレンド・プロ、マンガ原作:星井博文、作画:飛高 翔)

【マンガ】意識を失っているあいだ「痛み」を感じさせずに体を切り開く。まるで魔法のような「全身麻酔」の歴史とは?
【マンガ】意識を失っているあいだ「痛み」を感じさせずに体を切り開く。まるで魔法のような「全身麻酔」の歴史とは?

著者コラム

 全身麻酔がなかった頃、手術といえば「激痛に耐えながら受けるもの」という認識が当たり前でした。

 当時は、お腹や胸を切り開いて行う手術など到底困難だったのです。全身麻酔が普及するのは20世紀ですが、それ以後、外科治療は驚くほど急速に進歩しました。

 医学は年月とともに緩やかに進歩してきたと思われがちですが、実際には、ある一つのパラダイムシフトが起きた後から急激に進歩していて、それより前の何百年もの間は極めて低調です。

 かつては「医学」と呼べないほどに野蛮だった外科学の歴史を振り返れば、特にそのことを実感できるのです。

(※本原稿は『すばらしい人体』を元にストーリー漫画化した特別書き下ろしです。)