王道、かつ時代の最先端を行く
ハイブリッド型アイドルグループ
さて、キンプリのグループとしての特性はどのようなものであったか。
まず、キンプリを知る人たちがしばしば言う通り、「顔面偏差値が高い」というのが挙げられる。ジャニーズとしては王道のアイドル路線で、メンバーは各自がソロで活躍する場も多く持っていた。
筆者は彼らの演じているところをずっと観察してきたわけではないので、あくまで聞きかじりの知識によるところになるが、キンプリはどうも「極めて現代を象徴するグループであった」と言えそうである。
アイドルの壁を壊してバラエティーの分野に進出し成功を収めたSMAPや、その後世間を席巻し続けた嵐の各メンバーは、それぞれキャラが立っていて、その個性たちがグループとしてまとめられて混ざり合うことで、グループとしての面白さを醸成していた。
キンプリにもこの面白さがあるのだが、メンバー各人のあり方が、もう少しフレキシブルのように思える。たとえばキンプリには「ボケは○○が担当、MCは△△が担当」という明確な役割分担がなく、みんながボケもMCもやるような感じらしい。
であるとするなら、そのあり方はさらに自然、等身大であり、SMAP以来進められてきた共感型のアイドル像の最先端がキンプリに見られる、ということができよう。例えばYouTubeには、「複数人によるグループのYouTuberの、友達同士がわいわいやっている感じがウケる」流れがある。キンプリはジャニーズの伝統を継承し、そこに時代のニーズをさらに取り入れたハイブリッドな仕上がりとなっていたようである。