ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

「モーリタニアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

モーリタニアってどんな国?

 モーリタニアはアフリカ大陸西部に位置し、大西洋に面する国です。アルジェリア、マリ、セネガル、西サハラと国境を接します。

 国土の9割以上がサハラ砂漠に当たり、海岸にある首都ヌアクショットでも、年間降雨日数は10日前後、年降水量は100mm前後にすぎません。

 古くからアラブとアフリカの文明が交わるところで、北部にアラブ系、南部にネグロイド系が住んでいます。さまざまな民族から成る国ですが、宗教では共通してイスラームを信仰しており、それで融和を図り、「イスラーム共和国」を名乗っています。これはパキスタン・イスラーム共和国に次いで2番目です。

 首都から北東へ約450kmのところにあるシンゲッティはサハラ砂漠の入口に当たり、地元民は「イスラーム第7の聖地」と呼んでいます。

 鉄鉱石が産出され、それを200両強の貨車で海岸に運んでいます。長さは3kmにもなります。乾燥した大地を走り抜ける景観は見ごたえがあるでしょう。

日本がタコを最も多く輸入する国

 タコが日本向けに輸出されていて、日本のタコの輸入の約3分の1を占めます。

 現地の人々はタコを気味悪がって食べませんが、漁業が発展していなかったこの国にJICAから漁業指導で派遣された若者が着目して、今日に至り、地元に高収入をもたらしています。しかし、乱獲のため漁獲量が落ち込み、資源の保護が求められています。

「モーリタニアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会アフリカ西部

モーリタニア・イスラーム共和国

面積:103.1万km2 首都:ヌアクショット
人口:407.9万 通貨:ウギア
言語:アラビア語(公用語)、フラ語、ソニンケ語、ウォロフ語、フランス語
宗教:イスラーム(国教)
隣接:アルジェリア、マリ、セネガル、西サハラ

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)