ただ話すだけなのに「頑張る」「疲れる」「気を使う」……。日々のコミュニケーションで苦戦苦闘している日々よ、さようなら。これからは、説得しようと力業で勝負する必要はありません。自ら動くのではなく、相手に動いてもらい、自分の思い通りの結果に導けばいいのです。
それを可能にしたのが、大久保雅士著『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』だ。「トップセールス」の実績を持つ「メンタリズム日本一」が生んだ至極のコミュニケーションスキルが詰まった一冊。本書より、徹底的に磨かれたノウハウを一部抜粋し、「口下手で人付き合いが苦手」な人でも今日からすぐできる方法を紹介する。

8秒あれば誰でも落ちる。相手の心をつかむ「笑顔のアイコンタクト」Photo: Adobe Stock

しゃべらなくても相手から好意を得る方法

 会話上手な人にはいい印象がありますが、話をするのが苦手な人がいます。では、話がうまくなければ、会話上手にはなれないのでしょうか。そんなことはありません。しゃべらなくても、相手に好印象を与えることができます。

「8秒間見つめ合うと恋に落ちる」という話を聞いたことがあるでしょうか。

 イギリスの国際性研究アカデミーが公式出版物である「Archives of Sexual Behavior」にて発表した研究結果によると、男性が初めて対面した人やモノなどに心が動く、好意を感じるまでの時間を計測したところ、8.2秒だったことから、冒頭の「8秒間見つめ合うと恋に落ちる」という話が生まれたようです。これを「8.2秒の法則」と言います。

 現在では研究が進み、男女に関係なく「8.2秒の視線」に心が動くといわれています。

 この話は恋愛関連の心理テクニックとしてよく聞くことがあり、私も何度か試したことがあるのですが、正直このテクニックを使うのはかなり難易度が高いのです。

 男女にかかわらず、相手の目を8秒間も見続けるなんて恥ずかしくてなかなかできませんし、「なに見ているの?」と言われるのが正直怖いですよね。現実に8秒間見つめ続けられるなんて、すでにお互いの好意が相手に伝わっている状況じゃなければ難しい。

 そもそも、この法則は、「人の心がどのように動くか」を実験によって実証したものなので、実際に人間関係を良好にするために使うことを目的としていないのです。

 そうなると、現実には使えない技術に思えるかもしれませんが、これを使える技術にしたのが、「笑顔のアイコンタクト」です。

 たしかに、日常生活の中で相手の目を8秒間も見つめ続けることはほとんどありません。

 ちなみに会話の中で相手と目が合って違和感がない時間は4~5秒といわれています。他人と目が合うと目を逸らす人が多いように、目が合い続けることは普段は行なわない、気になる行為なのです。

 だからこそ、「相手に見つめられ続ける」とより意識してしまう。気にしていなかった人と、「目が合い続ければ」無意識に気になってしまう、興味を持つ状態になってしまうのです。

 もちろん嫌われていないという前提は必要ですが、自分のことを意識さえしてもらえれば、恋愛感情に限らずに好意に繋がっていく可能性は高くなります。

 では、どのような表情で8秒間、目を合わせればいいのでしょうか? それが前述の笑顔のアイコンタクトなのです。相手の話に興味がある、関心があるという好印象の表情をしながら相手と目を合わせるのです。

 人は相手から好意を受けると自分も好意を返したくなる心理が働きます。興味・関心を笑顔で示すことができれば、こちらにも好印象を持ってもらえる可能性がグンと上がります。

 笑顔のアイコンタクトを作るうえでのポイントは3つです。

1.口角を上げる(口は開けたままでもいい)
2.目に笑いジワができるように頬を上げる
3.短く定期的な相槌をする

 この表情をつくりながら会話をし、8秒以上相手を見つめるだけでいいのです。

 私はタレントの関根勤さんの笑顔をイメージしてこのテクニックを使っています。

 中には、相手が恥ずかしさで目を逸らすこともありますが、異性であれば恋愛感情のドキドキに誤認させることができます。8秒間の視線と興味・関心の表情で、しゃべらなくても相手から好意を得ることができるのです。

(本原稿は、書籍『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』から一部抜粋、編集したものです)