投資家と商社経営者に
伝えておきたいこと

 日本の総合商社株は「買い」なのか。筆者は証券会社の社員でもあるので、「買いだ!」と断定的に叫ぶわけにはいかないのだが、十分「魅力的だ」とは思う。

 また、商社だけでなく、日本株全般が投資のチャンスを迎えている可能性も十分あると思われる。

 筆者は先ほど、バフェット氏の商社株買い増しについて取材に来たある雑誌の記者から「商社以外には、どんな業種や会社が買いですか?」と聞かれた。そこで、「円安をチャンスとして生かすような経営ができる会社には、どの業種でもチャンスがある」と答えた。現在の日本は、設備に投資するとしても、人に投資するとしても大きな投資チャンスを迎えている。

 ジャーナリズムの側も取材される側も、「株は買いですか?」「どの業種が有望ですか?」「どの銘柄がいいでしょうか?」という旧態依然とした問いと答えをそろそろ見直すべき頃合いではないだろうか(「もう、やめようよ!」)。

 バフェット氏も個人の資産の大きな割合を米国の株式のインデックスファンドで妻に遺したいと言っているくらいだ。読者が日本株を買うとすれば、多くの場合インデックスファンドでいいように思う(もちろん、趣味や仕事として株式投資に取り組む人は、業界や個別銘柄を大いに研究するといい)。

 最後に、大手商社の経営者に一言言っておこう。

 せっかくバフェット氏に注目してもらえるような会社を経営しているのだから、「財閥グループ」のようなケチなまとまりに対するこだわりを捨てて、大胆な経営を行ってもらいたい。せっかく社長になったのだから、小さくまとまらないでほしい。

【訂正】記事初出時より以下の通り訂正します。
21段落目:サハリン1→サハリン2
(2022年11月24日11:13 ダイヤモンド編集部)