人生100年時代を見据えても
老後は心配しなくてOK
Kさんが58歳時点の貯蓄は3729万円ですから、そこから7年間の累積赤字額280万円を取り崩した残りは3449万円です。
(※現行の制度では、国民年金の支払いは60歳までですが、今後の改正で65歳までの負担になる可能性が高いので、年間支出は65歳まで変更しない形をとりました。)
Kさんがアルバイトを辞めてからの年間赤字額はわずか40万円でした。Kさんが65歳になって公的年金の受給が始まり、国民年金の支払いが終わると、年間の家計収支は黒字になるはずです。
それ以降は、もし趣味や余暇への出費を少し増やし、家計収支がトントン(プラスマイナス0円)になったとしても、3449万円の貯蓄をしばらくキープできます。
また、Kさんが65歳の時点で、ご主人は59歳。まだまだ働ける年齢です。このまま10年超にわたってお店を続け、Kさんが76歳、ご主人が70歳の時点で引退したとしても、3449万円の資産が減らずに残っているのは心強いでしょう。
今回の試算ではご主人の公的年金受給を考慮していないため、本来はさらに家計に余裕が出るはずです。人生100年時代を見据えても、「過度に老後を心配しなくてもよい」というのが今回の結論です。
ただ冒頭でも述べましたが、ご主人の収入やお店の開業資金など、今回はかなりの部分に推測を交えて回答しています。途中で店がうまくいかなくなり、お店の利益が下がったり、ご主人がお店をたたんだりした場合は、試算の通りにはいきません。
私の試算はあくまでも参考程度にとどめて、綿密な計画を立てた上でご主人の夢をかなえてください。
繰り返しになりますが、なるべく借入に頼らない方が、月々のローン返済に追われることもなくストレスも減るはずです。開店資金はキャッシュで捻出すると、Kさんの心身の健康にも良い影響があるかもしれません。