ニトリは、商品の企画、製造、物流、販売までをすべて自社で行っているため、間に発生するコストをカットすることができる。たとえば、これまでは10万円近くすることも珍しくなかったゲーミングチェアは、ニトリであれば2万4900円(税込み)と半額以下の値段から購入可能だ。

「現在、全国450店舗ほどでゲーミング家具を展示しています。購入前に、店頭で実際に使い心地を確かめてから買える環境を用意できているという点も、ニトリならではのセールスポイントです」

在宅勤務やおうち時間を
快適にするゲーミング家具

 今でこそ全国の450近いニトリの店舗で販売されているゲーミング家具だが、発売当初は30店ほどの限られた都市型店舗でしか取り扱われていなかった。

「最初は社内でも『ゲーマーに特化した家具は市場として限定的すぎるのでは』との意見が多く、『まずはチェアから』ということで企画が立ち上がりました。そして、業界を取り巻く市場調査と商品の情報収集に努め、2019年1月にゲーミングチェアの販売に漕ぎ着けたのです。想定以上に需要は大きく、徐々に売り上げが伸びたので、販売店舗も60店舗近くまで倍増させました。また、商品のラインアップも拡充していくことができました」

 潮目が変わったのは2020年、コロナ禍に突入してからだ。当初はプロゲーマーやヘビーなゲーマーをメインターゲットとしていたが、新型コロナの感染が拡大して“自粛”が促されるようになると、意外な層がゲーミング家具を購入するようになったという。

「出社から在宅勤務に切り替わったビジネスマンが、ゲーミングチェアを購入しているケースが多いと分かりました。プロゲーマーだと、1日8~10時間近くチェアの上で過ごし、ゲームをプレーしている人も少なくありません。そのためゲーミングチェアは、長時間座っていても疲れにくい構造や、汗で蒸れないよう通気性などにこだわっています。その性能が、リモートワーカーにもマッチしたようです」

 そのほかにも想定外だったのが、ゲームを“趣味”とする人たちからの需要だ。

「コロナ前から、ゲーム実況動画の鑑賞や、ゲームのプレー動画の配信が趣味だという人は大勢いました。そういうライトなゲーマーたちも、ステイホーム期間に“ゲーム”に費やす時間が前よりも増え、より快適に趣味を楽しみたいとの思いからゲーミングチェアの購入に踏み切った人が多かったようです」

 コロナ禍での客層の広がりを受け、「プロ仕様にとどまらないゲーミング家具を生み出していこう」と、開発チームの考えも切り替わっていったという。

「ライトユーザーからの声を受け、『ゲーミングシェルフ』を作りました。このシェルフは、ゲーミングデスクの天板と高さがぴったりで、デスクと並べて使用していただければ、スペースを有効活用していただけます。ゲームソフトのパッケージや、ゲーム関連のグッズ、キャラクターのフィギュアなどのディスプレーにおすすめです。プロ仕様であれば操作性などが最優先ですが、趣味で楽しんでいる人には“ゲームをする環境の充実”が求められているため、その希望に沿う商品を開発しました」