「なんでLINEしないんですかね」

「あの耳が聞こえない人、めちゃくちゃ格好いいけれど誰ですか?」

「自分の家の前で待っているとか、不審者でマジありえない」

 これが友人の20代の部下たちによる意見だったそう。つながらない美しさを彼らはいつか知ってくれるのだろうか。

ラブストーリーに通信機器は欠かせないツール

 続けて、長引く緊急事態宣言により、わたしたちに巡ってきた再放送は『やまとなでしこ』(2000年・フジテレビ系列)。松嶋菜々子演じる、客室乗務員の神野桜子が玉の輿を目指して、セレブ男たちの間を渡り歩く。

 桜子は令和でいう、港区女子だ。自分の結婚相手にふさわしいのは将来有望な人徳者だけであると、周囲にも標榜をして、ひたすら合コンに参加をする。ターゲットが決まったときの決め台詞はこうだ。

「今夜はたった一人の運命の人に巡り会えたような気がする」

 ただ巡り会った王子様は金持ちではなく、実家の魚屋を手伝う中原欧介(堤真一)。桜子にとって、本物の愛は見つかるのか……というジリジリを楽しむラブストーリー。ただ前出の友人部下たちの意見はこうだ。