いよいよ年末。今年はどんな1年だっただろうか。年越しそばでも食べながらゆっくり新年を迎えよう。2022年は「上司に悩まされた」「部下に悩まされた」「同僚やクライアントに苦しめられた」、それぞれいろいろあっただろう。ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するもの。現在、この問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することで人気なのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。
給料分働けば十分「プロ」
プロフェッショナルとはなにか。
常により高いレベルの仕事を求める人だろうか?
それとも、プライドを持って働く人だろうか?
僕の定義は「対価と同等の働きをする人」。
サラリーマンで言えば「給料分、働く人」だ。
ハードルが低すぎると感じるだろうか?
でも、そこは「たかが仕事」。
みんな「プロ」を高く見積もりすぎている。
給料分の価値を出したら「プロフェッショナル会社員」。
あとは自由だ。
200点を目指さなくていい
もっとも、世の中には、
「プロなんだから、仕事なんだから、200点を目指すのが当然」
「死に物狂いで働け」
という考え方もある。
すこし前までは、それが当たり前の雰囲気もあった。
でも「プロなんだから死に物狂いで働け」は明らかに間違っている。
相手の人格を否定したり、精神を追い詰めたりするのももってのほか。
正しくは「プロなんだから給料分は働こう」だ。
2022年「自分は十分頑張った」と思おう
死に物狂いで働くようなハングリー精神の持ち主も、たしかにいる。
活躍していたり、武勇伝が語られたりもする。
けれど、彼らはある種の「変人」でふつうの人がマネをすると燃え尽きる。
「もっと」と上を目指せる志と、自分を追い込んでも壊れない屈強な心身を持つことはとても素晴らしいことだけど、みんながみんな、そんなふうには働けないし、全員がそうする必要もないと思う。
言うまでもないけれど、仕事に対してハングリーじゃなくても、決して劣っているわけじゃない。
生き方の違いなのだ。
年末はゆっくり休もう
僕が入社したとき、テレビ業界はかなりマッチョな業界で、周囲を追い込み、自身も寝ずに仕事をする人が少なくなかった。
怒鳴ったりキレたりするディレクターを見て、「絶対にこの人がつくるよりおもしろい番組を、何倍も楽しい雰囲気でつくってやろう」と心に決めたのを覚えている。
仕事に熱狂すること。すべてを懸けること。
それは絶対的な正義ではなく、性質や好みの問題。
やるべきことをやり、給料分働けば、それで十分プロなのだ。
※本書には、この他、多くの仕事術が収録されています