外見はまさしくプレミアム
存在感は際立つ
7月末時点の受注は6400台で、構成比はPHEVが5%、XD-HYBRIDが45%、XDが36%、ガソリンの25Sが14%と、予想どおりXD-HYBRIDが最も多く、4WDの比率は61%を占める。
年齢層は、40代(27%)を頂点とするゆるやかな山型となっていて、けっして安くないクルマながら20代以下が14%にも達しているというから驚いた。
試乗車は、最量販のXD-HYBRIDのグレード名に“プレミアム~”が付く上級モデルのプレミアム・モダンとプレミアム・スポーツの4WDだ。
車両重量はともに1940kgで、車検証によると前軸重が1060kg、後軸重が880kgとFFよりもいくぶん前後配分が均等に近い。
外見はまさしくプレミアム。どちらもブラックメタリック塗装(プレミアムモダンは切削加工)の20インチホイールを履き、存在感は際立っている。
インテリアも質感は非常に高いことを再確認した。プレミアムモダンはダッシュ回りの新感覚の表現が興味深く、プレミアムスポーツは印象的なタンカラーのインテリアが目を引く。500万円台半ばでこれほどのクオリティ感を実現するとはたいしたものだ。
公道に出る前に、独自の新機能、自動ドライビングポジションガイドとシースルービューを試した。運転に不慣れなユーザーにも、こうしたサポートあると何かと助かるのはいうまでもない。ガイドに従いドライビングポジションを合わせると、初めて乗るのにすぐに馴染めてしっくりくるのは、最近のマツダ車のお約束だ。
いざ走り出せば、直6ならではサウンドとスムーズな吹き上がりにニンマリ。SKYACTIVで直6ならディーゼルでも美味なものとなることがよくわかった。エンジンの存在をあえて感じさせるように味付けされていて、思わずアクセルペダルを踏みたくなってしまう。5200rpmからレッド表示になる。実際に回るのは4700~4800rpmだが、物足りなさは感じない。
マイルドハイブリッドの強みで、発進はスムーズかつレスポンスもリニアで乗りやすい。アイドリング時の振動は少々気になったのだが、マイルドハイブリッドのおかげでアイドリングストップ後の再始動も静かでスムーズだ。
プロトタイプの試乗会では3.3Lとしては物足りないという意見もあった。確かに性能重視のディーゼルのように下からドンとくる印象ではないものの、今回はとくに不満は感じなかった。実際、最大トルクが550Nmに達している。それでいて燃費公表値は1.8LのCX-3や2.2LのCX-5のXDを大幅に上回っており、効率のための排気量拡大というマツダの説明どおりと考えると納得できる。
トルコンレスの8速ATもダイレクト感があり、これまでの6速より2速も増えてステップ比がよくなったおかげで、よりスムーズに走れる。駐車のときにギクシャクするのではと危惧していたが、滑らかな動きで安心した。