住宅ローン加入者の8割以上が
変動金利を選択している

 そもそも日本人は住宅ローンについて変動金利を選ぶ人が多く、全体の約7割、21年に実施された調査では8割の人が変動金利の住宅ローンを選択しています。変動金利のほうがそもそも固定金利よりも金利は低く、かつ、黒田総裁の方針が変わらない限りその低い金利が続くと考えられたことから、皆が変動金利を選んだというわけです。

 昨今の大都市圏でのマンション価格高騰で、そもそも低金利でも住宅ローンの支払いがきつい家計が多い中、その支払い額がこれから増えるようなことがあれば打撃も大きいため、そのような人たちは不安を感じているかもしれません。

 実は私もまだ10年以上、住宅ローンが残っています。私は日本人としては少数派の「あえて固定金利を選んだ側」のひとりなのですが、実は私が選んだ固定金利には10年ごとに見直しが入ります。ですから私の場合は、今後金利が上がれば最後の10年間のローンの支払い額は大幅に増加するでしょう。つまり、固定金利の人でも契約によってはまったく安心というわけではないのです。