全年齢層、かつ新規ユーザーが始めやすいデザイン
まず、これは新作『スプラ3』に限らず全作共通であるが、ポップな世界観が全年齢層向けであり、新規ユーザーにも取っつきやすい。ゲームの内容は銃を撃ち合うゲームだ。
銃を撃ち合うゲームといえば、たとえば全世界で大ヒットして女性プレイヤーも多い『Apex Legends』がある。この世界観はハードで、キャラは皆いかつくクールでかっこよく、銃器を撃ったときの手応えはいちいちすさまじく、敵に弾をヒットさせるたびに血しぶきが舞う。およそシューターゲームなるジャンルはおおむねそんな感じの雰囲気でまとまっている。
一方、スプラはキャラがかわいくファッションもストリート風でオシャレ、武器は銃というよりインクを飛ばす水鉄砲であり、弾がヒットしても出血はせずにヒットしたことを示すエフェクトが表示されるだけである。さらにいうなら音楽もポップス調(ロックや最近はやりのボカロ調ポップスなど)で、個人的には最高にかっこいい曲だらけである。
このあたりのことはよく「スプラはなぜ面白いのか」的な記事でよく言われているので適度な触れ方にとどめておくが、インクを塗る、インクの中を素早く泳ぐといった動作一つ一つに爽快感があり、とりあえずキャラを動かしているだけでも楽しい。
最初のうちはインクを塗っているだけでそれなりに満足できるのだが、接敵して、倒したり倒されたりするうちに「撃ち合いにもっと勝ちたい」と思うようになってくる。なぜなら、撃ち合いに勝つと「こんな快感があったのか」と思えるほど気持ちよく、負けると「こんな不快感があったのか」と思えるほど悔しいからである。それが1試合約3~5分の間に幾度もやってくる。これを繰り返すうちに初心者はやがて中級者、上級者へとなっていく。
なお、『スプラトゥーン』シリーズはPvP(プレイヤーvsプレイヤー)の対人戦が主だが、2作目のスプラから追加された「サーモンラン」というゲームモードは、4人のプレイヤーが協力してクリアを目指すPvE形式(プレイヤーvs CPUの敵)であり、こちらもそれ専門のガチ勢が一定数いるほど、楽しく奥深い。
また、PvEでゲーム世界内の謎を追っていくストーリーモードもあり、プレイするうちにある程度のスキルが身に付くチュートリアル的な一面も兼ね備えたつくりとなっているが、このストーリーモードはシリーズを通して『3』が一番面白かった。