大人がハマるワケは、『スプラ』のダークサイド にある
ゲーム内アクション以外にも魅力的な要素は幾重にもある。それはキャラの魅力や、ささやかながらコレクション要素、そして定期的に開催される『フェス』というイベントなどが挙げられる。
しかしなんといっても、多くの人をハマらせるのは「自身が成長することの楽しさ」であろう。
ゲーム内には「ウデマエ」と呼ばれるランクがあり、うまい人ほどこのウデマエが高い。本当にきちんとうまくならないと上のウデマエに昇格できないようになっているから、昇格した暁には「自分はうまくなれたんだ…!」という実感が、新たなウデマエの称号とともにプレイヤーに与えられるのである。トライ&エラーの積み重ねが上達の早道であり、このあたりの面白さは子どもより大人の方により刺さっているかもしれない。
と、ここまでがポジティブな面からの解説だが、スプラに人々がハマるワケを正確に説明するにはもうひとつ、闇の側面からの解説をしなければならない。
それは「負けるとあり得ないくらいイラつく」である。これは文字通り、本当にあり得ないくらいの感情がその人を襲う。普段穏やかな人がスプラをやっている間だけ人格を豹変させて修羅になる……スプラ界隈ではよく聞く話である。
先に「撃ち合いに勝つと・負けると、『こんな快感・不快感が』と感じる」と書いたが、試合の勝ち負けは、この撃ち合いの勝ち負けの10倍くらいの感情の塊が一気に襲ってくるイメージである。だから試合で負けが込むとイライラがピークに達して、中にはNintendo Switch本体やディスプレー、スマホなどを物理的に破壊する人が出てくるのである。
通常、日常生活でこれほどイライラさせられることはまずない。だからこそ、なのだが、勝ったときの喜びもまた尋常でないのである。その勝利のカタルシスを感じるために、プレイヤーは次なる試合に赴いていく……おそらく何かしらの脳内ホルモンに関係する心の動きであり、これがスプラシリーズに人々がハマるワケだろう。