日本ラグビーの歴史を塗り替えた前回大会から4年。2023年9月にラグビーワールドカップ(W杯)がフランスで開幕する。予選プールから強豪国との連戦が続くが、日本代表は前回大会に続き予選を突破して、日本列島を熱狂させることができるのか。特集『総予測2023』の本稿では、日本ラグビーフットボール協会の岩渕健輔専務理事に予選突破のポイントや注目選手、さらには日本ラグビーの魅力について聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
2022年秋は強豪国と敵地で連戦
ワールドカップは初戦のチリ戦がポイントに
2023年9月にラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会が開幕します。コロナ禍は逆風でしたが、22年はニュージーランドやイングランドなど、かつてないほど強豪国との試合を組みました。「4年間の強化」という視点では、いい方向に進んでいると考えています。
19年のW杯日本大会では、日本代表が初めて予選プールを突破。ベスト8に進出という前向きな成績でした。一方で、22年秋のイングランドとアウェーでの試合では非常に厳しい結果(52-13で完敗)になりました。あらためてアウェーで勝つことの難しさを認識しました。
幸いだったのは、このタイミングだったこと。W杯まで半年以上の準備期間があるので、ベスト8以上を目指す準備を進めます。
現在(22年12月5日時点)、日本代表は世界ランキング10位ですが、予選プールではイングランド(同5位)、アルゼンチン(同8位)、サモア(同11位)、チリ(同22位)と戦います。
決勝トーナメントに進むには上位2チームに入る必要がありますが、ポイントは初戦のチリ戦だと思います。内容のいいゲームで勝利して勢いに乗り、その後の試合は全て勝ちにいきます。
とはいえ、チリ戦も間違いなく難しいゲームになります。22年秋にはW杯の初戦の会場(トゥールーズ)でフランスと戦いましたが、本番と同じホテルに泊まり、時間割も含めてW杯をイメージしました。今後もできる限りの準備をして臨みます。
次ページではラグビーワールドカップ2023について、日本代表の予選突破の可能性、注目選手、優勝候補まで大胆に分析。日本ラグビーの特徴や、ラグビーの魅力について初心者にも分かりやすく解説します。