「日本人はなぜそんなに働くの?」
外国人は、日本旅行中に通勤ラッシュや電車で寝ているサラリーマンを見て驚き、レストランでの礼儀正しい接客を見て「なぜこんなにも日本人は勤勉なのだろう?」と疑問をもつ人が多いです。日本人の勤勉さや長時間労働には、いい部分と悪い部分があるので、自分ならどのように答えるか考えてみてください。
回答例
欧米では、プライベートや家族優先という考えが主流だと思いますが、日本では「仕事がいちばん」「一所懸命に働くことが美徳」という考え方が昔からあります。日本人が勤勉な理由には様々な要因がありますが、そのうちのひとつと考えられるのが「稲作」です。
稲作は、田植えから収穫まで非常に手間のかかる耕作方法で、苗を均等な間隔で植え、水を均等に引き、季節や天候によって水の温度調整や草取りも必要になります。こういった繊細な気配りが必要な稲作を2000年以上行い、また江戸時代(400~200年前)の日本の人口の8割は農民だったことから、その勤勉さが現代の日本人にも引き継がれているといわれています。
解説・補足
稲作は、西洋で主流の麦やトウモロコシの栽培に比べて圧倒的に手間がかかり、そういった生活基盤の違いにより日本人の今の精神性が育まれてきたのです。そのほかにも、戦後の復興から高度経済成長期にかけて、GDPで世界一となり、一億総中流と呼ばれる社会が形成されていくなかで、バブル期には「24時間働けますか?」というCMが放映されるなど、働くことが称賛されてきたことも要因のひとつです。ただ、そのことが「過労死」「サービス残業」「ブラック企業」などネガティブな労働環境にもつながりました。