スタイリングは予想どおり。初期のリーク写真によく似ている。中でも印象的だったのはリアフェンダーの膨らみとリアオーバーハングの短さ、そしてアッパーボディとロワボディが2階建て構造になっていること。ちなみにロワボディのパートはマットかグロスのブラックが標準で、カーボンファイバーはオプションとなる。ボディ同色はいまのところ設定されていない。デザイナーが認めていないのだろう。

フェラーリ「プロサングエ」V12搭載!“4ドアの跳ね馬”の歴史がスタートプロサングエ(PUROSANGUE)というネーミングはイタリア語で“純血種”を意味する。フェラーリ初の4ドアモデルながら正統スポーツカーであることの宣言とも受け取れる。ドアはユニークな観音開き構造

 予想を超えてきたのはリアドアの開き方だった。ロールスロイスのように観音開きになっている。マラネッロはこれを“ウェルカムドア”と呼ぶ。実際に開け閉めして乗り込んでみたが、確かに乗りやすい(ドアの開く角度も大きい)。後席に荷物を投げ入れることも容易だ。このドアは、便利なだけではなかった。後ろヒンジのリアドアを採用したことでホイールベースを必要以上に長くせずにすみ軽量化に貢献した。大きなピラーを残したことは、高剛性化にもプラスをもたらしている。事実、全長やホイールベースは2ドア4シーターのGTC4ルッソとほとんど変わらず、全高が20cm高くなっただけである。

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 目を見張ったのはインテリアだった。ローマの流れを汲んだデュアルコクピットコンセプトをいっそう大胆に取り入れている。シートは4席ともスポーティなバケットタイプで、座ってみればタイトさと広い空間の組み合わせが意外にも新鮮だ。細かな点ではステアリング周りのスイッチ類も“ローマの不評”を改善して凸凹が付けられ、操作性は向上していると見受けた。

フェラーリ「プロサングエ」V12搭載!“4ドアの跳ね馬”の歴史がスタートインパネには左右を分割したデュアルコクピットコンセプトを導入。トランスミッションは8速DCT
フェラーリ「プロサングエ」V12搭載!“4ドアの跳ね馬”の歴史がスタートシートは前後とも独立したバケット形状。 室内空間は広く後席でも心地いいスポーツフィールが楽しめる
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