パワーユニットは伝統のV12自然吸気
少量生産のスペシャルな“4ドアの跳ね馬”の誕生

 マラネッロが背の高い4ドアの新型モデルを“純血スポーツカー”と名付けた理由は、メカニズムを知ればさらに理解できるだろう。

 何はさておき跳ね馬はエンジンだ。予想どおり、V12を積んできた。しかも6.5Lの自然吸気ユニットである。エンツォ由来のF140型で、812コンペティツィオーネ用のHB型からいくつかの要素を引き継ぎつつ、主要部品を一新した“ほぼ新型”である。型式名はF140IAだ。実用域からのトルク性能にこだわって再設計されており、そのぶん最高出力は725hpと“抑えぎみ”。SF90以来の軽量低重心な8速DCTを組み合わせている。

フェラーリ「プロサングエ」V12搭載!“4ドアの跳ね馬”の歴史がスタート

 重要な点はV12パワートレーンをフロントミドシップ+トランスアクスルとした点だ。プロサングエは、GTC4ルッソを4ドアにして、車高を上げたようなモデルなのである。この点だけでも他のスーパーSUVとは一線を画する存在だといえる。