大手焼き鳥チェーンの鳥貴族ホールディングスは、「経営の神様」と称された稲盛和夫氏の経営哲学に大きな影響を受けている。その一つが、稲盛氏が提唱した「アメーバ経営」だ。鳥貴族の財務体質に与えた影響は、計り知れないものがあるという。「稲盛和夫の経営哲学」を本格導入して鳥貴族に起きた変化を見てみよう。(イトモス研究所所長 小倉健一)
鳥貴族復活の背景に
稲盛和夫氏の「アメーバ経営」あり
大手焼き鳥チェーンの鳥貴族ホールディングスが2022年12月9日に発表した連結決算(22年8~10月期)は、大きく収益が改善した。営業損益が6400万円の黒字と、前年同期の17億円の赤字からV字回復を果たした。
新型コロナウイルス禍に見舞われる前の水準には及ばないものの、8~10月期としては3年ぶりの営業黒字に転換。コロナ禍による業績悪化からの反動増の影響もあり、売上高は前年同期比3.4倍の72億円だった。
実は、鳥貴族は17年から業績不振に陥り、それをきっかけに大倉忠司社長が、稲盛和夫氏が提唱した「アメーバ経営」の本格導入を決断している。
コロナ禍前に導入したこのアメーバ経営が鳥貴族の財務体質に与えた影響は、計り知れないものがあるという。「稲盛和夫の経営哲学」を本格導入したことで鳥貴族は何が変わったのか。大倉社長の言葉とともに見ていこう。