超多忙な1週間を乗り切る方法
──猿渡さんは、アナログの手帳などを使うことはありますか?
猿渡:手帳を活用する、ポストイットをデスクまわりに貼るなど、私もかつていろいろな方法を試しました。
ですが、急いで書いた文字が読めず、メモの内容がわからなかったり、デジタル的な手段で関係者に展開する時に効率が悪く、最終的に、今のSlack管理に落ち着きました。紙やペンを使うことはほとんどなく、今ではホワイトボードぐらいです。
──忙しすぎる毎日をなんとかしたい……という悩みがある人は、まずはどんなことを気をつけるといいでしょうか?
猿渡:タスク管理のやり方はたくさんありますし、向き不向きもあると思いますが、個人的には「美しいタスクリスト」にこだわりすぎないことが大事だと思います。
そもそもの目的は、漏れなく仕事をこなすこと。その手段の一つがタスクリストです。
きれいなタスクリストを作るのに1日何十分もかけていないか? を、一度問いかけてみるといいかもしれません。
常に「手段」と「目的」が逆転しないよう気をつけながら行動できると、グッと仕事が速くなると思います。
──いつも以上に忙しい超繁忙期には、どんな工夫をされていますか?
猿渡:睡眠時間を削らないこと。優先順位をつけること。
それから、「優先順位の理由」をメンバーと共有することです。
まず、『1位思考』にも書きましたが、寝ないと判断力が低下するので、睡眠時間はなるべく削らないようにしています。
そのうえで、全部を気合いだけでやり切ろうとせず、最初に優先順位を決めること。
そして、「優先順位の理由」をまわりに伝えることが大事だと思っています。
たとえば、上司が優先したい仕事と、部下が優先したい仕事が異なる場合があります。
上司はAの仕事を先にしてほしいのに、部下はBの仕事の方が優先だと思っていた。
「どうしてこっちを先にやってないの?」というすれ違いが起きないよう、事前にすり合わせをしておくのです。
部下に対しても、
「申し訳ないけど、今週は◯◯の理由でAの仕事に集中したい。それ以外の仕事はいつもより遅れる可能性がある」
と前もって伝えておくわけです。
何も言わずに仕事を遅らせたら、メンバーの信頼を損なってしまう可能性もありますから、時には期待度を下げることも、コミュニケーションを円滑にする上で重要だと思います。
(本稿は『1位思考』に掲載されたものをベースに、本には掲載できなかったノウハウを著者インタビューをもとに再構成したものです)