近年、「頭の回転の速さの象徴」としてお笑い芸人が多くの場面で活躍をしている。そんなあらゆるジャンルで活躍をし続けるお笑い芸人たちをこれまで30年間指導し、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも話題になった伝説のお笑い講師・本多正識氏による1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』が発刊された。ナインティナインや中川家、キングコング、かまいたちなど今をときめく芸人たちがその門を叩いてきた「NSC(吉本総合芸能学院)」で本多氏が教えてきた内容をビジネスパーソン向けにアレンジした本書は西野亮廣氏、濱家隆一氏(かまいたち)、山内健司氏(かまいたち)などからも絶賛されている。本記事では、『1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』より、本文の一部を抜粋・再編集しお届けする。

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仕事ができる人に共通していること

 これまで多くのお笑い芸人やビジネスパーソンを見てきました。NSC(お笑い養成所)や講演会などでたくさんの方と交流をするなかで気がついたことがあります。

 それは、売れる芸人、仕事ができる人のどちらもアドバイスを取り入れるまでのスピードが異常に速いということです。自分に必要な情報を取り出して、素早く行動に移すことができるからこそ、ビジネスやお笑いの世界で活躍ができるのでしょう。

 そのことがわかってからNSCでもアドバイスを行動に移す重要性を説いています。今回はそこで教えている「アドバイスを行動に移す」ことを習慣化するための方法を紹介いたします。

 ポイントは4つです。

ポイント1 取り入れるものかどうか決める

 話を聞いている最中から、そのアドバイスは自分に必要なものか判断をしましょう。もちろん、取り入れることができたらそれがベストですが、ときには自分に合わないこともあるかと思います。そのときは明確に「やらない」と決めるのもいいでしょう。重要なことはその場で決めることです。

 すぐに決められない方は、仮でいいので「やる」「やらない」のどちらかに比重を置いて考えてみましょう。仮でも「やる」と決めることができれば、思考は止まらないのでOKです。

ポイント2 いつ実行するか決める

 アドバイスを実行すると決めたら「いつからはじめるか」決めましょう。「いつもやる気はあるのだけれど……」で終わってしまう人はこのステップを正しく踏めていない人です。「次のプレゼンなのか」「明日なのか」実行のタイミングを決められれば前に進むことができます。「いつから」を決めるのが難しい人は「いつまでにやるか」を決めるのもいいでしょう。

ポイント3 どのように実行するか決める

 実行に移すにもいくつかやり方があると思います。思い切ってすべて取り入れるやり方もあるかと思いますし、段階的に試してみるやり方もあるでしょう。

 たとえば、お笑いでいうと、ボケとツッコミを入れ替えるような大胆な変更ならば明日からすべての舞台で試してみることは難しいですが、ボケの種類を変える程度のものであれば思い切ってすべて変えてみるのも可能です。要するに、少しずつ取り入れていくのか、いきなり変えるのか自分に合った方針を決めましょう。

ポイント4 不明な点がないか確認する

 意外と忘れがちなのが4つ目です。アドバイスを聞いているなかで「でも、これはこうじゃないか?」や「それは違うのでは?」と気になる点があれば、その場で聞いてしまいましょう。

 疑問や気になったことがあとになって大きな弊害になってしまうこともあります。「あのとき聞いておけば」とならないよう早めに解決しておくのは大事なことです。アドバイスをしっかり実行するために不安要素を早いうちに潰しておくことが肝心です。

 最後にアドバイスをもうひとつ送ります。「本を読むとき」「講演を聞くとき」など、「いいことが書いてあるかな?」「役に立つことを言ってくれるかな?」という受け身の姿勢でいるのではなく、自分に役立つことを「読み取ろう」「聞き取ろう」と攻めの姿勢を持つようにしましょう。

 同じ内容でも受け取り方がまったく違ってきます。ぜひ試してみてください。