アイデンティティを受け継いだスタイル

アウディBEV「Q4 e-tron」試乗記、“運転が楽しい”加速と安定性の魅力クーペのようなスタイルで人気のスポーツバックもラインナップ。こちらはアドバンス(688万円)とSライン(716万円)を用意する。

 エクステリアは、Q4 e-tronがオーソドックスなSUVスタイル、Sportbackが少し背の低いクーペスタイルとなっている。全長、全幅は両者共通。全高はグレードによって異なるが、Sportbackのほうが15mmまたは30mm低くなっている。

 アウディの象徴であるフロントのシングルフレームグリルは、Qファミリー(SUVモデル)に共通するオクタゴン(8角形)形状のもの。内側は凹凸にデザインされているが、BEVなのでエンジンを冷却する必要がないため実際には空気を取り入れる開口部はない。前後の筋肉質で力強いフェンダーもアウディの特徴のひとつ。デザインにおいては、これまで内燃エンジンモデルで培ったアイデンティティをしっかりと受け継いでいる。

アウディBEV「Q4 e-tron」試乗記、“運転が楽しい”加速と安定性の魅力フロントにはスポーツシートを標準装備。オプションでSライン インテリアパッケージが用意される。

 インテリアは、センタークラスターをドライバーに向けて傾斜したドライバーオリエンテッドなデザインを採用。ステアリングホイールは、上下ともにフラットになった珍しいデザインだが、これはアウディ初という。

アウディBEV「Q4 e-tron」試乗記、“運転が楽しい”加速と安定性の魅力10.25インチディスプレイのメーターはアウディバーチャルコクピットを採用。各種機能を操作するセンターのタッチディスプレイも備え、スイッチ類を大幅に減少させている。

 その奥にのぞくメーターには10.25インチの液晶のアウディバーチャルコックピットを、センターには11.6インチの MMIタッチディスプレイを配置。シフトセレクターは、e-tron GTなどとも同様の、コンパクトな四角いボタンを指先で前後にスライドする方式を採用。素早く直感的な操作が可能だ。

 パワートレインは、リヤアクスルに1基の電気モーターを搭載し、後輪を駆動する。アウディといえばクワトロ(4輪駆動)かFFが主体であり、RWD(後輪駆動)はR8の2WDバージョンを除けば、初の量産モデルかもしれない。駆動用電気モーターは最高出力150kW、最大トルク310Nm を発揮。一充電走行距離は576km(WLTCモード)と、同じプラットフォームを採用するフォルクスワーゲン ID.4(561km)や競合となるメルセデスEQA(555km)、ボルボC40(502km)などを凌ぐ。