仕事の効率化=業務効率改善は、多くの企業がお題目として掲げている大きな問題です。ITワークスタイルコンサルタントの山田榮一氏は、著書『誰も教えてくれなかった!業務効率改善のためのMicrosoft Teams活用術』の中で、「Teamsを使えば、日々の無駄なメール作業からも解放される」と言います。「メール」から「Teamsチャット」に移行することのメリットとは?
メールによる共同編集作業は手間が多い
従来のチーム業務における共同編集作業の多くは、メールを使ったコミュニケーションによって行われてきました。それがデフォルトになっているがゆえに、この方法が当たり前だと思って作業をしている人も少なくありません。しかし、実はメールベースでの共同編集作業には、無意識のうちにかかっている手間やムダが多く存在しているのです。
例えば、AさんとBさんの2人がプレゼンに使用する資料を作成するにあたって、
(1)最初にAさんがPowerPointで資料のベースを作成。
(2)それをBさんが加筆・修正などの編集をして仕上げる。
という方法での作業を行うことになったとします。
これを、「メールと添付ファイル」によるやり取りで進めると、一般的には以下のような手順を踏むことになります。
手順(1)
ベースとなる資料を作成したAさんは、『お疲れさまです。プレゼン資料を添付したので編集をお願いします』などという依頼メールを書き、作成した資料ファイルを添付してBさんに送信する。
手順(2)
メールを受信したBさんは、まず、『お疲れさまです。資料の編集の件、承知しました』という了解メールを書いてAさんに送信する。
手順(3)
Bさんは、Aさんのメールに添付されているファイルをパソコン上のどこに保存するかを決めたうえで、そのファイルを開いて加筆修正・編集を行う。
手順(4)
Bさんは、編集を終えたファイルに「別名」を付けて自分のパソコンに保存。
手順(5)
Bさんは、『お疲れさまです。資料を編集しました』という完了メールを書き、そこに別名保存したファイルを添付してAさんに送信する。
――このメールをAさんが受信し、問題のないことが確認できて、ようやく一連のプロセスが完了します。
ただ実際には1回のやり取りだけでは資料が完成せず、「後から追加修正などが発生する」といったケースも少なくありません。そうなると、その度に何度も手順(1)~(5)を繰り返すことになります。当然、それだけさらなる手間がかかるというわけです。