偽物や探知機まで
違法行為も発生

 さて、ここでちょっとだけ話を脱線させます。トレカが高値で取引されるようになると、当然のことながらアンダーグラウンドな社会問題が起きます。トレカの世界で有名な事件を二つほど紹介してみましょう。

 一つは「ロッチのドッキリマンシール」の話です。これ、誤植でもうろ覚えおじさんの書き間違いでもなく、本当にあったパチモノ(偽物)商品です。80年代に子どもの間で大人気になった「ロッテのビックリマンシール」を模倣した商品で、本家よりも安いことから子どもに人気となり、累計で3億5000万円も売り上げました。

 このシールは、ビックリマンシールに非常によく似ているうえにレアものシールが手に入りやすいという特徴があり裏面もビックリマンシールそっくりなのですが、ロゴの部分が「ロッチ」という表記で「テ」の部分のタテ棒が上に突き抜けているデザインでした。最終的にこれを販売していた会社は、ロッテに訴えられて倒産します。

 もう一つ、こんな事件も起きました。インターネット通販で「LEDカードサーチ機」という怪しげな機械が売りに出されたのです。袋の中に金属が入っているとそれを察知してLEDが光るという機械なのですが、これがトレカの違法購入で使われて問題になりました。

 当時人気があったトレカシリーズではレアカードに通常の紙への印刷ではなく高級感を出すためにホイル紙を用いた特別仕様になっていました。それで、カードを購入する際にお店の人に見つからないようにこの機械を使ってレアカードだけを選別して定価で購入するやからが出現したのです。ちなみに、今では当然対策済みです。