取引するのは個人か企業か

 ビジネス界でよく使われる言葉に「B to B」と「B to C」があります。Bは企業(Business)でCは消費者の個人(Customer)。B to Bは売り手が企業で買い手も企業の「企業→企業」取引、B to Cは売り手が企業で買い手が個人の「企業→個人」取引です。

起業と個人、売り手と買い手のマトリクス起業と個人、売り手と買い手のマトリクス(『ただの人にならない「定年の壁」のこわし方』P.173より転載) 拡大画像表示

 これをフリーランス(個人)商売にも当てはめてみましょう。フリーランスの個人が商売する場合、買い手が企業であるC to B「個人→企業」と、買い手が個人である「個人→個人」取引があります。

 フリーランスの自分が、企業に対して売るのか、それとも個人に対して売るのか、あるいは両方に売るのか。どれを選択するかによって、商売の方向性がまったくちがいます。これについては十分に検討せねばなりません。この検討の際、何を基準に考えるかといえば、それはもちろん「自分は何をやりたいのか」です。

 私の講師業/コンサルティング業でいえば、現在は企業向けと個人向けの両方を行っています。以前は企業向けのみでしたが、長い時間をかけて少しずつ個人向けの仕事を拡大していきました。

 企業向けの仕事は単価が高いですが、その分、相手に合わせねばなりません。一方、個人向けの仕事は自分で仕切れる自由があります。それゆえ企業向けの仕事でDモード売上をキープしつつ、個人向けのB仕事を少しずつ増やす作戦をとりました。これからのフリーランス講師はC to B企業向けとC to C個人向けの仕事をどう組み合わせていくかを考えねばなりません。