サービス業の報酬はいくらにすべきか?

 ここまで読んで「ボランティアに終わらず、しっかり仕事で稼ぐぞ!」と心を決めた人がいてくれたらとてもうれしいです。その有料化の心構えをもったとして、次に考えねばならないのが「自分のサービスをいくらで売るか」の値決めです。有料化を決めた人も、必ずこのプライシングで悩みます。わがフリーランス塾の塾生から相談される質問でも、このプライシング関連が一番多かったです。わが国では「安さこそ正義」の時代が長く続いているので、仕方ないかもしれません。値決めで問題となるのは次の2つです。

(1)自分のサービスをいくらで提供するかという金額の決定
(2)相手によって価格を変えていいのかという方針の決定

(1)についてはサービスによりけり、人それぞれであり一概には言えないものの、大切なことは「はじめは安くてもいいので値上げし続けること」です。もちろんそれはサービスの質や価値を上げていくことが前提です。Bモードでその仕事を選んだあなたは、サービス改善に努力すること、新メニューを考えることが苦ではないはず。どんどんサービスメニューを充実させて「良いモノをより高く」を目指しましょう。

(2)については「相手によって価格を変えていい」と考えてください。モノを売る世界においてはいまだ一物一価の常識がありますが、サービス業については同じサービスでも「相手によって価格を変える」姿勢で大丈夫です。

 ここでのポイントは「誰に対してどんな価格を付けるか」です。私の場合は公益性の有無で判断しています。つまり公的な役所、学校、社会的に意義ある行動をしている団体、そこからの仕事依頼は基本的に先方の予算に合わせます。すばらしい活動と思えば無料でも働きます。一方、営利企業からの依頼、営業目的のセミナー依頼については正規の価格をしっかり提示します。

 ここで重要なのは、自分のなかに「正規の価格」をしっかりもっておくことです。公益性が高い仕事依頼の場合は「本来は○○円ですが、今回は公益性が高いので△△円で結構です」と先方に伝えてください。これを怠ると「報酬激安の人」というありがたくない評価をされてしまいます。実際これで泣いているフリーランスがかなり多いです。