第1位 日露戦争(1904年)
日露戦争は、近代化を果たしたばかりの日本と大国ロシアとの戦争です。小学生でも習うこの戦争は、世界的にも非常に重要な意義を持っています。
当時、欧米列強はどんどん植民地を拡大していました。列強の使う近代的な武器を前に、アジア・アフリカの国々はなす術もなく負けていきました。そんな中、明治維新以降、「富国強兵」を掲げて力をつけていた日本は、やがてロシアと対立するようになりました。そして1904年、ついに両国は戦争に踏み切ったのです。
明治維新が1868年で、日露戦争は1904年ですから、日本は近代化したと言ってもせいぜい30年程度しか経っていません。それに対し、ロシアはヨーロッパの大国です。
世界中の国々が、「アジアの小国、日本が勝てるわけがない」と思っていたことでしょう。
しかし結果は大健闘で、日本優勢の状態で講和に至りました。アジアの日本がヨーロッパ列強のロシアに勝ったというニュースは、「ジャイアントキリングだ!」と多くの国に伝わりました。こうして日本は、アジアの大国として名を上げることになりました。
さらに、日本の勝利に沸いたアジアの各地では、「日本に続け!」ということでイラン革命や青年トルコ運動などが起こりました。日本の番狂わせの影響は、世界へと波及していったのでした。
本書でも紹介しているように、戦争には番狂わせや意外な結末となったものがまだまだ多く存在します。また、それらは「歴史の転換点」となっていることが多く、歴史を学ぶうえでも重要な意義を持っています。現在起こっているウクライナ戦争においても、歴史の大きな転換点になる可能性があり、今後の動向に注目が必要です。
東大カルペ・ディエム
現役の東大生集団。貧困家庭で週3日アルバイトをしながら合格した東大生や地方公立高校で東大模試1位になった東大生など、多くの「逆転合格」をした現役東大生が集い、全国複数の学校でワークショップや講演会を実施している。年間1000人以上の生徒に学習指導を行う。著書に『東大生が教える戦争超全史』(ダイヤモンド社)などがある。