反日活動に流されない
韓国の若者世代

 韓国では、「THE FIRST SLUM DUNK」の映画が好調な半面、反日映画の不振が目立っているという。

 伊藤博文朝鮮統監を暗殺した安重根(アン・ジュングン)は韓国で義士・英雄と祭られている。その安重根の最後の1年を描いた映画「英雄」=原題=でさえ、公開されてから2カ月近くになっても損益分岐点を越えられずにいる。

 映画市場アナリストのキム・ヒョンホ氏は「従来の抗日テーマは、20~30代の観客たちに訴える力があまりない」とコメントしている。

 文在寅時代にあまりに極端な反日ムードを高め、日本製品不買運動を広げ、訪日自粛ムードを引き起こしてきた、その反動が今起きているのだろう。

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 若者世代は、反日教育をたたき込まれた50代の親世代の人々とは違う。反日に取り込まれなくなっている。

 現在韓国で反日を積極的に唱えているのが、前出の市民団体である。それを押さえ込むことで、韓国国民の日本に向き合う姿勢は大きく変革するだろう。

 労働組合に対する資金源を押さえ込み、その改革を具体的に進めようとする尹錫悦政権。さらにそれが市民団体にも及ぶ予定である。そうなれば、韓国社会のごり押し構造は変化していくだろう。

 尹錫悦政権の日韓関係改善の本気度が見える気がする。

(元駐韓国特命全権大使 武藤正敏)