実力勝負の結果で評価される企業で働きたい!

――日本の同業他社は、受けたのですか。

木下 受けました。でも私は、年齢や職責ではなく実力で勝負し、その結果で評価されたい。そう思うと、自分は日本企業で働くことは難しいと考え、内定をいただいた会社の中から外資系企業を選びました。

 外資系といえば、コンサルティングやITを想像しがちですが、私は、自分がどんな職種に向いているのかが分かりませんでした。とりあえず、化粧品が好きだったのでメーカーを志望しました。営業や販売、企画・開発と、キャリアの幅も広いと思われましたし。

 また、いずれ結婚や出産でキャリアが一時的に休止するにしても、20代のうちにできることは何でもやっておきたい。家庭を持ってからも、何かにチャレンジし続ける土台を築きたいという気持ちはすごく強いのです。そういう意味で、キャリアを継続しやすいのも外資系の魅力の一つでしょう。

――そんな木下さんは、3年間働いた外資系化粧品メーカーから日本のIT企業に転職されました。

木下 転職を思い立ったのは新型コロナの影響です。コロナで打撃を受けた会社は赤字を出し、事業のリストラに入りました。私は入社した年から名古屋に配属されましたが、3年も働くとある程度仕事にも慣れてくるものです。

 正直、「実力で勝負」しなくても、商品にブランド力があるので一定数は売れるんです。それに、若い女性営業担当者は少ないので、朝5時に商品陳列のために客先に出向いたり、バイヤーに顔を覚えてもらったりと、人とのつながりはつくりやすかった。そんな“日本的な営業”が求められたのです。
 
 給与に関しても、日本での売り上げが多少落ちても、グローバルで見て他の国が好調であれば収入は保障される仕組みでした。

藤本 外資系でも日本に根付いている企業は、ある程度日本の商慣行や給与体系を取り入れているケースは多いですからね。
 
木下 ところが、世の中は、新型コロナによる緊急事態宣言、感染拡大防止のための自宅待機と、営業活動がままならない事態に見舞われました。

 新しいことに挑戦してキャリアを積み、実力を付けたいと思って外資系を選んだのに、「今の状況のまま家でじっとしていてよいのか」と考えるようになったんです。コロナ禍はいつ終息するか分かりません。このまま名古屋に居続けることになるのか、人事異動で東京に戻ることも期待できないのか。それも大きな不安要素でした。