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「正しいと思うことを言える自分」を肯定できた!
藤本 木下さんが我究館にやって来たのは、大学3年の8月でしたね。
木下 帰国してすぐでした。我究館の説明会で「自分のキャリアは自分で決めないと、誰も助けてくれない」と言われたことが胸に突き刺さって。大学は、誰かが敷いたレールに乗ることが当然の環境でしたから。
でも、我究館に入っても、いきなり自分の内面を図や言葉で表すことなどできなかったし、当然、行きたい業種も職種も方向性も分からない。同期で入った人たちは、今まで周りにいなかった、自分とは全くタイプが違う人ばかり。みんな自分より優秀に見えて、彼らと比べると自分は空っぽだなと思ってまた落ち込みました。
――壁にぶつかった受講生には、どんなアドバイスをするのですか。
藤本 特に「こうしなさい」という指示はしません。自分で歩み続けられる力を養ってほしいのです。うまく行ったときはもちろん、挫折も貴重な就活のプロセスです。自ら考え、行動することを大切にしてほしいので「状況は分かった。それで、これからどうしたい?」という問い掛けを大事にしています。
木下 私の場合は、講義が終わった後、その同期の仲間と近くのお店に集まって、夜遅くまでグループワークの課題にひたすら打ち込みました。
すると、それぞれのタイプが違うからこそ、これまで考えたこともないような方向からのアドバイスや疑問をもらうことで、自分自身や将来についての言語化が進みました。我究館に入って3~4カ月ほどたってからです。それからしばらくして、ようやく自分の進みたい方向が何となく見えてきたんです。
藤本 外資系化粧品メーカーを中心に就活をすることにしたんでしたね。
木下 はい。外資系企業に勤務する我究館の卒業生の方が講師として来てくださったとき、外資系は自分に合うと思ったんです。お話から、外資系企業は、年功による職責・賃金制度といった日本の会社特有の「上下関係」がない、公平な組織である印象を受けました。これは私が絶対に譲れない部分でした。
我究館で自己分析を進める中で、自分がいかに「公平性」を重視する性格なのかがはっきり自覚できるようになったんです。母親への反抗も、子どもながらに、親の考えを一方的に押し付けられることに理不尽さを感じていたがゆえだったことに気付きました。
藤本 「正しいと思うことを言える」自分を初めて肯定できた瞬間ですね。自分の大切にしている考えや価値観を基に意思決定し、行動できるようになることは大きな成長と自信につながります。